京都市伏見区の岡田山の撤去開始

2014.7.12 02:13 産経ニュース 産廃撤去作業を14日から本格化 京都・伏見

 京都市伏見区の大岩街道周辺で高さ約60メートルに産業廃棄物が積み上げられ、丘陵化した通称「岡田山」について、産業廃棄物の中間処理業者「HIRAYAMA」(京都市中京区)が14日から本格的な堆積物の撤去作業を開始する。20年以内に撤去するとしている。

 市によると、岡田山は、同区深草神明講谷(こうたに)町の大岩街道沿いにあり、約4・5~6ヘクタールの土地に産廃が約60メートルの高さに積み上げられている。すでに破産した産廃業者が昭和47年~53年までの間に建設廃材やコンクリート、プラスチック、木くずなどを埋め立て野積みしてできたとされ、業者名の一部を取って「岡田山」と呼ばれている。

 当時、産廃の埋め立てに関する法規制はなかったが、周辺の住民から改善を求める要望が出ていた。市は平成22年に撤去の方針を打ち出し、地権者の1社であるHIRAYAMAが昨年6月から試験撤去を進めていた。14日から本格的な撤去作業を開始し、堆積物約80万立方メートルの産廃処理を進める。

 平山英拡(ひでひろ)社長(42)は「豊かな自然環境を取り戻すため社会貢献の一環として使命感を持って取り組みたい」と話している。

岡田山という廃棄物で形成された山の存在を知りませんでしたので、京都市の公表資料などを検索したところ、下記の名神高速道路すぐそばの小山のことのようです。

mt.okada

グーグルアースのデータを傾けて表示したものですので、若干気持ちの悪い描写の部分がありますが、全体的な状況はこれでよくわかります。

岡田山の撤去に着手するのは、同地の地権者の1社である「HIRAYAMA」社。
HIRAYAMA社は京都市の中間処理業者でもあるそうです。

HIRAYAMA社が廃棄物を不法投棄したわけではなく、地域貢献のために撤去をしてくれるとのことなのに、新聞の表現ではHIRAYAMA社への敬意が感じられません(苦笑)。

埋立開始当初は不法投棄の定義が今よりも非常に緩かった(=罪に問えなかった)という事情はあるものの、高さ60mにまで廃棄物を積み上げたというのは、相当異例なことです。

その理由は、高さ60mにまで廃棄物を積み上げるためには、相当広い敷地が必要となるからです。

狭い土地で60mも土などを盛ろうとしても、雨などですぐに崩れます。

岡田山は、6ha程度の場所で廃棄物を積み上げたようですので、それだけの広さがあって初めて成立する高さと言えます。

60mの高さがいかに異例かということを体感いただくために、具体的な建造物の写真を一つ掲載します。
osaka

写真は、昭和6(1931)年に復興された大阪城天守ですが、天守台の下部(地面)から天守最上部の鯱までの高さは54.8mあります。

通称岡田山は、大阪城の高さを少し上回る規模ですので、どれだけ途方もない不法投棄であるかがイメージしやすいかと思います。

もっとも、繰り返しになりますが、昭和50年前後の法律では不法投棄には該当しませんでしたが・・・

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