コウキンの乱
頭が「三国志脳」であるのか、聞き慣れない言葉を聞くと、三国志関連の一番読みが近い単語に自動変換してしまいます。
「コウキン」と聞くと、言うまでもなく、「黄巾の乱」しか思い浮かびません。
明建国のきっかけとなった「紅巾の乱」も読みは「コウキン」なので、受験生なら「紅巾の乱」の方を連想するかもしれません。
が、私は大部分の受験知識を忘却しつつある漢ですので、「コウキン」は「蒼天すでに死す、黄天まさに立つべし。歳は甲子に在りて、天下大吉。」しか考えられません!
さて、世の中の大多数の私のような「黄巾派」が宗旨替えを余儀なくされそうな法律改正の動きがあります。
2022年6月13日付 読売新聞 「「拘禁刑」創設、改正刑法が成立…懲役と禁錮を一元化」
懲役と禁錮の両刑を一元化し、「拘禁刑」を創設する改正刑法が13日午前、参院本会議で可決、成立した。懲役の受刑者に刑務作業を一律に義務づけている現行法を見直し、再犯防止の観点から、受刑者の年齢や特性に合わせて作業と指導を柔軟に組み合わせた処遇を行えるようにする。明治40年(1907年)の刑法制定以来、刑の種類が変更されるのは初めて。施行は2025年の見込み。
改正法で導入する拘禁刑は、受刑者を刑事施設に拘置した上で「改善更生を図るため、必要な作業を行わせ、必要な指導を行うことができる」と規定する。木工や印刷などの刑務作業を義務化している懲役刑と、義務づけていない禁錮刑はいずれも廃止する。
「禁錮刑」と「懲役刑」を「黄巾系」もとい「拘禁刑」に一本化、刑法制定以来115年ぶりに刑の種類が変更されるとのことなので、ある意味歴史的瞬間に立ち会うわけですね。
個人的には、「禁錮」や「懲役」に服した経験が無いので、これらと「拘禁」の違いは、観念的にしか理解しておりません。
明治40年から生きてはおりませんが、日本人が115年間も慣れ親しんだ「懲役」という日本語を「拘禁」と読み替えることは、急には難しいかもしれません。
少なくとも、黄巾派の私には。
廃棄物処理法その他の法律の「罰則」も、すべて「拘禁」へと改正されることになりますので、講演の際に「5年以下のチョウエキ」ではなく、「5年以下の拘禁」と正しく言わねばならぬと考えると、ちょっとしたプレッシャーを感じます。
幸い、施行は「2025年からの見込み」なので、あと3年は「チョウエキ」で大丈夫ですが。
地方自治体の方の場合、「許可申請書の手引き」等の刑事罰に関する表現を全面的に改定する必要が生じます。
よりマニアックな話としては、「犯歴照会」をかける際の「照会文書」中の刑事罰に関する部分の改定も必要ですね。
2024年の裁判では懲役刑が使われることになるので、「2025年○月以前の刑事罰は「懲役または禁錮」と読み替える」等と書くのだろうか?
少し考えただけで、チェックと改定の手間が面倒そうです。
早め早めの準備が「天下大吉」ですね。
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2022年6月15日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
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