行動力という弊害

2023年5月17日付 NHK 「さばいた魚の頭など海に捨てた疑い 海上保安官を書類送検

美波町の日和佐港でさばいた魚の頭などを海に捨てたとして徳島海上保安部は17日、21歳の徳島海上保安官を廃棄物処理法違反の疑いで書類送検しました。

書類送検されたのは、徳島海上保安部美波分室に所属する21歳の男性の海上保安官です。

徳島海上保安部によりますと、海上保安官は4月17日の午後8時すぎ、日和佐港で魚の骨や頭などおよそ550グラムを海に捨てたとして廃棄物処理法違反の疑いが持たれています。

日和佐港の近くには公務員宿舎があり、海上保安官が自分の部屋で魚をさばいた際に出た魚のあらを捨てたということで、海上保安部の調べに対して「次のごみ回収まで日があり、面倒だったので捨てた」などと容疑を認めているということです。

海上保安官が魚のあら等を海に不法投棄をしたという、皮肉な状況で成された犯罪です。

ニュース報道では、「海」と表現されていますが、

公務員宿舎のすぐ近くに見える水域は、「奥潟川」という川です。

そのため、宿舎からすぐ離れた場所で不法投棄をしたならば、「川に捨てた」と表現すべきところですが、
お散歩気分で、宿舎から1km程度の距離にある日和佐港まで歩き、海面に不法投棄をした可能性もあります。

いずれにせよ、「ごみを保管することが面倒だ」という理由だけで、魚のあらを海に捨てに行きたくなる心理は、ものぐさ者の私には理解できない動機です。

「密閉できるゴミ箱で厳重に保管し、ごみの回収日に粛々と出す」で万事解決のはずのところ、
「今すぐ捨てたい!」、あるいは「今すぐ捨てなければ!!」という強迫観念に駆られた状況を想像することはできますが。

当ブログ 2023年2月24日付記事「市川市のカキ殻投棄禁止条例に見る条例化の意義」の際にも思ったことですが、
私のような「ものぐさな怠け者」よりも、「活発に行動する無法者」の方が、社会に及ぼす害は常に大きくなります。

さて、「午後8時」という夜間に発生した「550グラム」の不法投棄を、どのように海上保安部が立証したのかも気になりました。

まさか、それ以前から不法投棄犯として、被疑者である海上保安官が所属元の海上保安部から監視対象となっていたわけではないでしょうから、現行犯逮捕であったとは思えません。

そうなると、「やはり一般市民から、動画などで犯行の一部始終を撮影されていたのか!?」と、想像が色々と膨らみました。

徳島海上保安部の野崎威一郎部長は「海上の犯罪を取り締まる職員がこのような事件を起こし、遺憾で心からおわび申し上げる。改めて職員を厳格に指導し、再発防止を徹底させる」とコメントしています。

職員が私生活で起こした犯罪であるため、「指導」には最初から限界があると思います。

再発防止を期するのであれば、厳重な懲戒処分を科し、「一罰百戒」として、「(主に私生活で)行動的な人間を冷静にさせる」ための「冷や水」を全職員に浴びせる必要がありそうです。

もちろん、その前提としての書類送検であろうとは思いますが。

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