リンゴ大量不法投棄に見る日本の農業問題

毎日新聞の報道によると、

青森県五所川原市と板柳町の境界を流れる十川の河原4カ所で、リンゴが不法投棄されているのが見つかった。
加工用に回った大量のリンゴを処理しきれなかったり、低価格で出荷できなくなってしまい、在庫を抱えた農家が廃棄したとみられている。

とのことです。

いかなる理由にせよ、廃棄物を不法投棄してはならないのは当然ですが、

丹精込めて作り上げたリンゴを、大量に不法投棄せざるを得なかった農家の心情もよくわかります。

農業の場合、生産量を急に増減させることができない自然任せの産業ですし、工業製品のように在庫を抱え続けることができないという弱点があります。

食料問題や資源問題を考える上では、農業の生産力を真剣に考える必要があるわけですが、日本の農業政策を見ていると、「減反の強制」など長期的な展望に立っていない政策ばかりが目立ちます。

今回の報道のような食料の不法投棄をなくしていくためには、農業政策の整備以外にも、食品が廃棄物になった場合の再利用方法をもっとたくさん増やしていく必要があるでしょう。

食品はすぐに腐敗してしまうため、それが廃棄物になった場合、できるだけその地域で速やかに再利用、あるいは処分してしまうことが重要です。

ある意味、廃棄物としての「地産地消」ですね。

新聞報道によると、出荷できないリンゴは「堆肥化」を奨励されていたようですが、使用する量以上の堆肥を作るのは、あまり望ましいことではありません。

人が食べられないようなリンゴだけを最終手段として堆肥化し、
それ以外の食べられるリンゴは、人や動物に食べてもらう

こんな方法が、環境保全という見地からは最適解となるのではないでしょうか。

問題は、それをどうやって実行していくかですが

平常時から、こういった余剰食品を消費してくれる受け皿を作っておくことが必要となります。

賞味期限が迫った食品を譲り受け、それをホームレスの人に配布するという活動をしているNPOが既に存在しています。先進事例として、大いに参考になるのではないでしょうか。
または、人間が食べてくれないのであれば、豚や鳥の飼料として加工することを検討してみてはどうでしょうか。

リンゴはカレーに入れると美味しくなるようですので、飼料の中に配合すると、家畜の食欲も増すのではないでしょうか(笑)。

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