年末年始にこそ気を付けたい欠格要件その1(暴力団排除の要請)

2012年3月に、産業廃棄物処理企業の社長が暴力団の組長に高級乗用車を無償で貸与したことが「暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資すること」に該当するとされ、産業廃棄物処理業の許可が取消されるという事例が岐阜県でありました。

岐阜県の説明では、「(社長が)業務に関し不正または不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者」に該当したためとされています。「おそれ条項」と呼ばれる要件ですね。

警視庁のHPでは、「暴力団又は暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有している」とみなされるケースとして、「相手方が暴力団員であることを分かっていながら、頻繁に一緒に飲食」「誕生会、結婚式、還暦祝いなどの名目で多数の暴力団員が集まる行事に出席」と具体的な例が挙げられていますので、廃棄物処理企業経営者の方は、個人的な付き合いであっても、暴力団関係者とは一線を画する必要があります。

「東京都暴力団排除条例」Q&A より、参考になると思われるQ&Aを抜粋します。
東京都の条例に関するQ&Aではありますが、契約書に書く暴力団排除条項の解説など、東京都以外の自治体でも参考になる解説が多数掲載されていますので、是非ご一読いただければと思います。

Q5暴力団員と一緒にゴルフに行ったり、飲食をしたりしただけで、警察から「密接交際者」として認定されるのですか?

A条例上、暴力団員と一緒にゴルフに行ったり、飲食をしていたからといって、警察がその人を「密接交際者」と認定し、「勧告」や「公表」の措置を講じる仕組はありません。

ただし、暴力団員と密接な交際をしていると、条例上の「暴力団関係者」とされ、都や暴力団排除活動に取り組んでいる事業者と締結する各種契約において、排除の対象となる場合があります。(次のQ6~Q8参照)

Q6条例に「暴力団関係者」と規定されています(第2条第4号)が、どのような人が「暴力団関係者」に該当するのですか?

A条例において「暴力団関係者」は、「暴力団員又は暴力団若しくは暴力団員と密接な関係を有する者」と規定されており(第2条第4号)、「暴力団若しくは暴力団員と密接な関係を有する者」とは、
例えば、

暴力団又は暴力団員が実質的に経営を支配する法人等に所属する者
暴力団員を雇用している者
暴力団又は暴力団員を不当に利用していると認められる者
暴力団の維持、運営に協力し、又は関与していると認められる者
暴力団又は暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有していると認められる者(Q7を参照)

等が挙げられます。

よって、単に次のような状況、境遇等にあるという場合には、それだけをもって「暴力団関係者」とみなされることはありません。

暴力団員と交際していると噂されている
暴力団員と一緒に写真に写ったことがある
暴力団員と幼なじみの間柄という関係のみで交際している
暴力団員と結婚を前提に交際している
親族・血縁関係者に暴力団員がいる

Q7「暴力団又は暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有している」とは、どのような場合をいうのですか?

A例えば、次のような場合が挙げられます。

相手方が暴力団員であることを分かっていながら、その主催するゴルフ・コンペに参加している場合
相手方が暴力団員であることを分かっていながら、頻繁に飲食を共にしている場合
誕生会、結婚式、還暦祝いなどの名目で多数の暴力団員が集まる行事に出席している場合
暴力団員が関与する賭博等に参加している場合

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