排出事業者にとっては廃棄物管理は“本業”ではない?

最近見た新聞記事の中で、非常に大きな違和感が残る表現がありました。

それは
「●●という廃棄物管理支援システムを利用することで、排出事業者は、契約書やマニフェスト等の運用に煩わされることなく、本業に集中できるようになります
という意味のものでした。

製造や販売活動が排出事業者の本業であることは万人が認めるところだと思います。

しかし、そうであるならば、製造や販売活動に伴って発生させた廃棄物の管理についても、製造などの本業の一環に入ることを認めねばなりません。

法律的には、契約書やマニフェストの管理業務を他者に委任することは禁止されていません。

ただし、マニフェストの管理などは、家計における家計簿の管理と同じ役割を持つものであり、
「面倒くさい」という理由で、家計簿の管理を第三者に委任する主婦や主夫がいないことを考えあわせていただくと、
企業の“本業”である、廃棄物管理業務を外部の者に委託することの危険性をご理解いただけると思います。

それに、外部の者に委託をしたところで、
排出事業者責任がその外部の者に移転するわけではありませんので、
やはり排出事業者自身が、廃棄物処理に主体性を持ち、自社の“本業”の流れを知っておく必要があります。

毎年毎年100通の廃棄物処理委託契約書を新たに作成している企業ならば、管理会社などに契約書(原案)の作成業務を委託することにも意味があるかもしれませんが、
その場合でも、管理会社などを前面に立たせて仕切らせるのではなく、排出事業者自身の責任と権限を持って対処することが必要だと考えています。

管理会社は、あくまでも事務管理代行という位置付けに止めておくのが基本です。

現地確認まで管理会社に行わせようという動きがありますが、
そこまでいくと、排出事業者としての責任や行動を放棄し、管理会社に丸投げをしているように感じられます。

排出事業者の方には受け入れがたい記事だったかもしれませんが、
ここ数年考え続けているテーマの中間とりまとめになりました。

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