施設が使用不可能な状態(平成5年3月31日付衛産36号より抜粋)
(施設が使用不可能な状態)
問85 施設を設置する土地を地主から借りていた処分業者が許可後に地主より借地契約を解約され施設の使用が不可能となった場合、このことを理由に処理業の許可を取り消し、又はその事業の停止を命ずることができるか。答 直接このことを理由として許可の取消しを行うことはできないが、当該業者がそれ以後事業を遂行していくことが不可能と認められる場合には、事業の廃止があったものとして法第14条の3又は第14条の5第3項において準用する法第7条の2第3項の事業の廃止の届出の提出を求め、これに応じない者については許可取消し等を命ずることができる。
※注釈
タイトルの「施設が使用不可能な状態」では意味がよく分かりませんので、「土地使用権限がなくなった業者への行政処分の可否」とした方が適切だったように思います。
質問には、「借地権がなくなった瞬間に土地と施設が使えなくなったのだから、即時の許可取消が必要」という意図が透けて見えます。
通知発出当時から、「即時の許可取消は不可」が厚生省(当時)の見解でした。
「借地権の契約解除」という一つの局面だけに着目し、行政が許可取消をしてしまうと、取消された業者側には違法行為が無いにもかかわらず、著しく重いペナルティをいきなり科されることとなり、不公平であると言わざるを得ませんので、妥当な見解だったと思います。
そして、その後も借地権の有無に関するトラブルが続き、常識的に考えて事業の遂行が不可能とみなせる状況になった場合は、「事業の用に供する施設が(廃棄物処理法)第14条第5項第一号又は第10項第一号に規定する基準に適合しなくなつたとき」に該当するものとして、許可取消が「できる」とされています。
借地契約の解除後、何年間も同地が使われた形跡が無いような場合は、この「事業遂行不可能」に該当しそうです。
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2021年12月9日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
カテゴリー:疑義解釈