従業員が食べた弁当(大阪府Q&Aからの抜粋)

大阪府が公開している「よくあるご質問」から、参考になる疑義解釈を一つ抜粋してご紹介します。

Q26 事務所で発生する弁当がらやカップ麺の容器は、一般廃棄物か?

A26
 事業活動に伴って生じた廃プラスチック類であるため産業廃棄物に該当します。
 従業員が事務所で飲食する行為に伴って発生するものが「事業活動に伴って生じた」といえるかどうかについては、事業者は、従業員を使って事業をしなければならないところ、その従業員が昼食時に食べた弁当の容器は、「事業活動に不可避的に伴うもの」であり、その発生の源が事業活動ですので、「事業活動に伴って生じた廃棄物」に当たります。従って、事務所から発生するプラスチック製の弁当の容器、カップ麺の容器のほかペットボトルや飲料缶も産業廃棄物の廃プラスチック類(又は金属くず)に該当します。ただし、食べ残しの弁当(残飯)や木製の割り箸は、事業系一般廃棄物となります。
 なお、事業者が事務所で発生した廃プラスチック類等の産業廃棄物を従業員に自宅に持ち帰らせて家庭ごみとして市町村のごみ収集に出すことは、廃棄物の投棄禁止規定(法第16条)に抵触するおそれがあります。
 また、容器包装リサイクル法では、家庭から一般廃棄物として排出される容器包装を再商品化義務の対象としています。従って、従業員が事務所で飲食したPETボトルや弁当がらは、再商品化義務の対象外です。

※注釈
理路整然と丁寧に説明されていますので、読めば誰でも分かる疑義解釈です。

弁当がら(廃プラスチック類)と食べ残し(事業系一般廃棄物)と、部材ごとに廃棄物の種類を明示してくれているところが良いですね。

さて、法的な結論は上記の内容が唯一の正解となりますが、現実には、「一般廃棄物との合わせ処理」がありますので、地域によっては「弁当がらは一般廃棄物だ!」と頑なに主張される機会が多々あります。

厳密には、合わせ処理の場合でも、産業廃棄物である廃プラスチック類が一般廃棄物に転化するわけではなく、あくまでも「産業廃棄物を一般廃棄物と一緒に処理する」だけですので、事業活動に伴い発生したプラスチック製の廃棄物が一般廃棄物になることはないと言わざるを得ません。

さらに厳密には、合わせ処理の場合は、委託契約書の問題も残り続けることになりますが、
合わせ処理の対象として受入をしてくれる市区町村があるのであれば、その受入基準に沿った方法で持ち込みをしておけば、法的な問題が後日発生することはほぼ無いと思われます。

もっとも、合わせ処理を行っていない市区町村を欺き、産業廃棄物を生活系一般廃棄物として偽って持ち込みをしたような場合は、やはり廃棄物処理法違反でしかありませんが。

弁当がら等の日常生活でもよく発生する廃棄物の処理については、
法律の原則を押さえつつ、地域の実情に応じて、市区町村の指示どおりに処理を進めることが最善であろうと思います。

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