委託者が不適正処理廃棄物の自主撤去を開始(福岡県篠栗町)

不適正処理を行った業者に資金が無いため、委託者である建設業者24社が廃棄物の自主撤去を行うというニュースです。

2014年2月21日 西日本新聞 発注業者が撤去開始 篠栗町の放置廃棄物 [福岡県]

 春日市の元産業廃棄物処理業者「ダイフク」が篠栗町内に大量の廃棄物を放置している問題をめぐり、同社に廃棄物処理を依頼した建設業者らが20日、県の要請に応じ、自主撤去を始めた。

 県は2007年、同社が町内の廃棄物保管施設に、許可量を超える廃棄物を放置していることを確認。現在、施設内外に約1万3600立方メートルに達する。09年に同社の産廃業の許可を取り消し、撤去を求めてきたが、同社は休業状態で資金もなく、進んでいない。

 このため、県は昨年10月、廃棄物処理法に基づき、同社と正式な手続きを経ずに契約を結ぶなどした建設業者など143社に対し、「依頼した責任がある」として自主撤去の協力を要請。1月末現在で24社が協力に応じる意向を示した。業者側は、自前で撤去するか、現場を管理する県産業廃棄物協会に負担金を支払うという。

 撤去は14年度中に終える予定。県は引き続き、残りの業者にも協力を呼び掛けるが、拒否した場合は、社名の公表など行政処分を検討している。

おそらくは委託契約書の不備などによる委託基準違反があった模様です。

今のところは自発的な撤去協力にしか過ぎませんが、今後は委託基準違反を原因とする措置命令の発動も視野に入ってきそうです。

記事では、自主撤去を拒否⇒社名の公表と、途中のプロセスがカットされていますが、
正確には、自主撤去を拒否⇒措置命令の発動⇒社名の公表 となりますので、
措置命令が出されない限り、自主撤去を拒否しただけでは社名を公表されることはありません。

それに、社名の公表が行政処分というわけではなく、措置命令という行政処分に付随して、委託者の社名が公表されることになります。

福岡県から不適正処理実行者に対しては、許可取消処分を含めて5回の行政処分が下されています。

平成21年1月20日 産業廃棄物収集運搬業の許可及び産業廃棄物処理施設(焼却施設・最終処分場)の設置許可の取消
平成22年3月23日 覆土がされていない部分約1,100立方メートルの撤去(措置)命令
平成22年5月31日 積替え保管場所の廃棄物約3,500立方メートルの全量撤去(措置)命令
平成22年8月25日 建屋内の廃棄物約10,100立方メートルの全量撤去(措置)命令
平成23年3月28日 覆土がされている部分の廃棄物約26,400立方メートルの全量撤去(措置)命令

行為者への措置命令発出後、委託者に撤去要請をするまでに2年も掛かっていた点が少し残念ですが、4万立方メートルを超える廃棄物が放置されたままのようですので、今後は委託者への責任追及が主軸となっていきそうです。

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