犯罪の自白

ダイコーの食品廃棄物転売事件の余震はまだまだ続くようです。

特に、事件発覚のきっかけとなった壱番屋にとっては、批判の風向きが変わりかねない大きな余震が発生しました。

2016年4月9日付 株式会社壱番屋発表 「本日の一部新聞報道について
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壱番屋がプレスリリースで言及している中日新聞の記事は下記のようです。
2016年4月9日付 中日新聞 「無許可で一般廃棄物処理 ダイコーに壱番屋委託

事件の発覚後、初めて本紙の取材に応じたダイコーの大西一幸代表(75)が「残飯は一般廃棄物で『受け入れられない』と壱番屋に指摘したが、やらざるを得ない圧力があった」と語った。本紙の取材に、壱番屋は委託を認めた。

1面に掲載されるだけあって、記事としてはかなり長いものになっていますが、当事者の片方の言い分しか掲載されていないため、週刊誌やタブロイド紙のような趣があります。

壱番屋がわざわざプレスリリースしたのは、「一般廃棄物の受託を強制した」と書かれた部分に憤慨したものと思われます。

当社が、ダイコーに対して本社社員食堂の生ごみの処理を委託していたのは事実ですが、委託に当たって無理強いしたという事実は一切ございません。

しかしながら、世間にとっては、そこはどうでも良い部分です(苦笑)。

強制していたかどうかが重要なのではなく、一般廃棄物を無許可業者に出していたことが問題の根幹なのです。

仄聞するところ、どうやら壱番屋は自社の事を「不正業者ダイコーの悪事に巻き込まれた可哀想な被害者」としか認識していないようです。

社員食堂の生ごみという一般廃棄物を、一般廃棄物処理業の許可を持たないダイコーに委託していた理由がふるっています。

1.ダイコーは食品リサイクル対応(堆肥化)をしており、環境対策上より望ましいと思われ、
2.当社の担当者からダイコーの担当者に、工場に隣接する本社社員食堂から出る生ごみも合わせてリサイクル処理が可能か聞いたところ、可能である旨の返答があり、
3.当社の担当者も、別の産廃業者からの移管であり、ダイコーもその資格(一般廃棄物処理)を有すると思い込んでしまったこと、によるものです。

いずれも理由にならないただの言い訳でしかなく、小学生が強制的に書かされた反省文の体をなしています。

すべて法律上の問題点がある言い訳ですが、一番悪質なのは、3の「一般廃棄物処理の資格を有すると思い込んでしまったこと」です。

ちょうど、一つ前の記事「罰則から見る委託基準の詳細Vol.3(一般廃棄物の委託基準)」で、一般廃棄物の委託基準の詳細を解説したところですが、相手の許可内容を確認せずに一般廃棄物を委託するということは、排出事業者としてもっともやってはいけない犯罪です。

広報対応としてはありのままの姿をさらけだすことが正解と考えているのかもしれませんが、この発表内容では、犯罪事実を満天下に自白していることにならないでしょうか?

また、中日新聞の記事では、ダイコーが一宮市まで残飯等の回収に行っていたと書かれています。

ダイコーは食品リサイクル法第11条の「登録再生利用事業者」でしたが、登録再生利用事業者に一般廃棄物収集運搬業の許可取得不要という免除措置はありません。

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※出典 農林水産省公表資料

そのため、壱番屋から圧力があったかどうかはさておき、自ら一般廃棄物の回収を行っている以上、一般廃棄物処分業のみならず、一般廃棄物収集運搬業に関しても無許可で行っていたことになります。

ダイコー事件は、食品廃棄物を転売したという点においては非常に特殊なケースですが、
排出事業者の意識や不正業者の隠ぺい工作といった、世の中に潜む普遍的な問題点を浮き彫りにしていますね。

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