産業廃棄物管理票(マニフェスト)の返送期限

基礎中の基礎のお話ですが、意外と誤解をしている方が多いため、詳細を解説したいと思います。

マニフェストの返送期限だって?
産廃管理検定3段(通信講座)の僕にとっては愚問。

答えは、「収集運搬終了後10日以内に、僕の手元にB2票が届かない場合は、即、収集運搬業者の違反」

よって、その収集運搬業者には始末書を提出してもらう必要があるね!

収集運搬終了後10日以内に排出事業者に必着ですと!?

あなたは「廃棄物処理法」の条文を読んだことが無いのですか?

それとも、「産廃管理検定(筆者注:架空の検定試験です)」の教科書にそう書かれていたのですか?

正しくは、

廃棄物処理法第12条の3 第3項
 産業廃棄物の運搬を受託した者(以下「運搬受託者」という。)は、当該運搬を終了したときは、第一項の規定により交付された管理票に環境省令で定める事項を記載し、環境省令で定める期間内に、管理票交付者に当該管理票の写しを送付しなければならない。この場合において、当該産業廃棄物について処分を委託された者があるときは、当該処分を委託された者に管理票を回付しなければならない。

(運搬受託者の管理票交付者への送付期限)
廃棄物処理法施行規則第8条の23
 法第12条の3第3項の環境省令で定める期間は、運搬を終了した日から10日とする。

とあるように、

「運搬終了後10日以内に写しを送付しなければならない」であり、「排出事業者に10日内に写しを到達させねばならない」ではありません。

つまり、収集運搬業者が運搬終了日から10日以内にB2票を送付していさえすれば、排出事業者に運搬終了日から11日後にB2票が到達したとしても、何の問題もありません。

「送付」と「到達」の定義について、
「『管理票の交付の日から90日以内』に、産業廃棄物管理票の写しの送付を受けない」場合に必要な「措置内容報告(廃棄物処理法第12条の3第8項)」と混同してしまっている人が多いように思えます。

「送付」と「写しの送付を受ける(=到達)」とは、意味するところが大きく異なりますので、法律の条文を正しく理解しておきたいところです。

また、そもそものお話として、
産業廃棄物管理票の写しの返送日がそんなに気になるのであれば、紙の産業廃棄物管理票ではなく、電子マニフェストを1日でも早く導入すべきだと思います。

電子マニフェストであれば、
・処理業者にとっては、産業廃棄物管理票写しを返送するための「郵送費」が不要
・オンラインで即時の処理終了報告が可能
・処理終了報告が所定の期間内に未完了の場合は、自動的にアラート通知が来る
等の大きなメリットがありますので、生産性を向上させるためにも、紙から電子へと切り替えをすべきだと考えます。

以上、今回は基礎中の基礎のテーマではありましたが、実務上頭を悩ませる方が非常に多い内容でもあるため、皆様の所属先においても改めて確認と活用の機会としていただければ幸いです。

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