「監査」じゃなくて「確認」です

顧問先の処理企業から、
排出事業者から廃棄物「監査」の一環として質問されている内容への対応方法について相談を受けました。

相手企業が事前に送ってきたチェック表を拝見しましたが、

「よくぞ これだけ審査項目を書き出した!」と言いたくなるほどの圧倒的な量でした。

しかし

残念ながらその審査項目の大部分は

廃棄物処理法に基づかない、無意味で実現不可能な要求事項ばかりでした・・・

行政の立入検査以上に厳しい基準で「監査」をしても、正直意味がありません。

もちろん、処理業者の信頼性や評判などは、行政の立入検査ではノーマークですので、
そこを具体的に調査する意義ならあります。

しかし、廃棄物処理基準以上の厳しさで、しかも実行できない要求をつきつけ
「監査をするぞ」というのは、本当の監査と言えるのでしょうか?

私は常々、機会があるごとにセミナーでお話しているのですが、
重要なのは、委託先処理業者の現場を訪問し、処理状況を確認する ことであって、
上から目線で作った机上の空論で「監査」をしては絶対にダメなのです。

「廃棄物監査」という言葉自体が、非常に不適切な言葉です。

「監査する」以上は、少なくとも、監査する者に法律に関する十分な知識が無ければいけません。

その知識無しに、「お金を払っている顧客だから」という理由だけで、一方的に「監査」ができるのでしょうか?

必要なことは、「要求事項」の背後に隠れることではなく、排出事業者と処理業者が対等の立場でパートナーシップを構築し、廃棄物リサイクルをより良く行っていくことです。

「廃棄物監査」という用語を使っている排出事業者の方には、この記事をきっかけにして、自社の責任に対する意識変革を図っていただきたいと思います。

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