昭和61年12月25日付衛産62号 「廃有害液体物質等の陸上処理について」

【 廃有害液体物質等の陸上処理について 】

公布日:昭和61年12月25日
衛産62号

(各都道府県・各政令市産業廃棄物行政主管部(局)長あて厚生省生活衛生局水道環境部産業廃棄物対策室長通知)

 1973年の船舶による汚染の防止のための国際条約に関する1978年の議定書(昭和五八年条約第三号)の付属書Ⅱ(ばら積みの有害液体物質による汚染の規制のための規則)が、昭和六二年四月六日から我が国について効力を生ずることとなり、同議定書の発効に伴い必要となる国内法制の整備を内容として、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律(昭和六一年法律第六九号)、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令(昭和六一年政令第三三六号)等が公布され、同法により改正された海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律(昭和五八年法律第五八号)の一部が昭和六二年四月六日から施行されることとなつた。同法の施行に伴い、船舶からの廃有害液体物質等(同法により改正された後の海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(昭和四五年法律第一三六号)第三条第三号及び第四号に規定する有害液体物質及び未査定液体物質のことをいう。)の海域における排出は原則として禁止され、陸上において廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四五年法律第一三七号。以下「廃棄物処理法」という。)第二条第三項に規定する産業廃棄物として適正に処理されなければならなくなつた。ついては、左記の点に留意の上、その運用に遺憾なきを期されたい。

1 廃有害液体物質等は、その性状に応じ、産業廃棄物の廃酸、廃アルカリ又はそれらと廃油との混合物に該当するので、その円滑な受入れについて、港湾管理者、船舶の運航者 (船主)、荷主等関係者と調整を図るとともに、廃棄物処理法の規定に基づき適正に処理されるように関係者を指導すること。

2 廃有害液体物質等の陸上における処理責任を有する排出事業者は、通常船舶の運航者(船主)であること。

3  廃有害液体物質等の排出事業者又は産業廃棄物処理業者が、廃有害液体物質等の受入施設を設置する場合には、昭和六一年六月三○日付け衛産第一九号により既に送付済みの「昭和六○年度廃有害液体物質等処理対策調査報告書」に示す受入施設に係る構造及び維持管理指針(案)を参考にして施設を設置及び維持管理するよう指導すること。また、その際、排出事業者の処理責任が不明確とならないよう留意すること。

※解説
 昭和60年当初は有害廃液がある程度自由に海洋投棄できていたというのも恐ろしい話ですが、現在ではもちろん違法です。

 注目すべき点としては、船舶からでた有害廃液の処理責任者として、「船舶の運航者(船主)」を明確に挙げています。

 有害廃液以外でも、通常の船舶航行で発生した廃棄物は、船主が排出事業者として適切に処理する必要があります。

 誰も見ていないからと言って、海のど真ん中で不法投棄をする「海の男(場合によっては女も含む)」はいない、と信じたいですが。

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