今後の規制改革推進計画

12月4日に開催された第5回規制改革会議において、「更なる規制改革の推進に向けて~今後の改革課題~」や「重要取組課題」がまとめられ、その内容が公表されました。

更なる規制改革の推進に向けて~今後の改革課題~
重要取組課題

このタイミングで上記の内容が出された経緯については、規制改革会議の草刈議長から下記のとおり説明されています。
議長会見録から抜粋

○草刈議長 今、説明のあったとおりですけれども、政権が変わってしまって困ったことというの
は2~3、その前からありまして、本来であれば8月に中間とりまとめをやることになっていて、そこで我々の問題意識を整理して、それから、それに対するお役所の反論というものをアタッチして読み取るという作業をして、その後で年末答申という形になるのが今までの自民党政権下のやり
方だったんですが、まず中間とりまとめを出そうと思ったら相手が消えてしまったということです。

それで10 月以降、政権が変わって、向こうの新しい政権の御担当等が決まってきたので、どういうふうに進めるかということだったんですけれども、我々の任期は来年の3月までですので、どういうふうにしようかといろいろ御相談をしたんですが、要するに新政権になってからは、やはり方法論的にも少し今までのやり方と変えたいという御意向もあって、それと同時に、そういう規制改革会議あるいは規制改革の取り組みということについて、余り民主党側にはまとまった形での知見といいますか、そういうものもない。

したがって、仙谷大臣からの御指示で、今までずっとやってきたこと、できなかったこと、それから、やらなければいけないこと。そういうものを全部まとめて、総括という形で出してくださいという御指示がまいりました。それでは、11 月の末にまとめて12 月の頭にそれを出しましょうと
いうことだったんですが、その中で、いわゆる今後、すぐにでも取りかかれるテーマを数件選んで、
それも出してくれというお話になりました。数件と言われても、やり出すとふくらんで13 件にな
ってしまいましたというのが、この「チャレンジテーマ候補(案)」というものです。

それで、中間とりまとめというものも、その後の状況変化も踏まえて、この「規制改革の課題(案)」
という最後の分厚いものにとりまとめて、今日、それもアタッチして、お出ししたということであ
ります。

結論としては、「中間とりまとめ」を発表したということになりそうです。

「更なる規制改革の推進に向けて~今後の改革課題~」では、廃棄物処理・リサイクルに関する内容として、「廃棄物の定義の見直し」と「一廃・産廃区分の再定義」が議題にあがっています。

①廃棄物の定義の見直し
【課題】
排出された物のうち、無価物・逆有償物のすべてを一旦「廃棄物」と定義し、廃棄物処理法における厳しい規制を課すため、再資源化が妨げられている。
【具体的施策】
リサイクル可能である場合には、無価物・逆有償物であっても廃棄物処理法の規制を適用除外とし、廃棄物を再生資源として最大限活用する。

②一廃・産廃区分の再定義
【課題】
同一性状の廃棄物であっても排出元によって一般廃棄物・産業廃棄物と異なった区分に分けられ、それぞれ別々に処理する必要があるため、効率的処理が妨げられている。
【具体的施策】
一般廃棄物と産業廃棄物の区分を、①拡大生産者責任にて処理を行う製品廃棄物、②家庭から排出される塵芥・厨芥、③一般家庭から排出される自治体の処理困難物も含めたその他廃棄物に再分類し、②についてのみ自治体責任とする等、処理効率が高く、明確に判断が可能な状態とする。

議長の説明にもあった、「今後すぐとりかかれるテーマ」として、廃棄物処理リサイクル関連では、「木くずなどのバイオマス資源の利用に関する規制緩和」が掲げられています。

【規制改革事項】
森林バイオマス利用の支障となる行政手続(廃棄物処理法の「再生利用指定制度」等)の簡素化
【現状の問題点】

  1. 木くずや林地残材等の森林バイオマスは、その性状や取引価値の有無等にもよるがその多くは「廃棄物」とみなされる場合が多く、収集運搬及び加工するためには廃棄物処理法における収集運搬業及び処分業の許可を取得する必要がある。さらに、事業者への業の許可においては、過剰な規制を課す自治体もあるなど判断基準にバラツキがあることから、許可取得が円滑に進んでいない。
  2. 有害物質を含まない木質ペレット等の燃焼灰は、肥料としての活用が期待されるところではあるが、現在、リサイクルの仕組みが不十分であるため、その多くは「廃棄物」として処分されている。

【期待される実現効果】

  • 化石燃料の代替品、チップ化された林地残材が紙パルプやクッション材として利用されるなど、森林バイオマス資源の活用が増大
  • 有害物質を含まない木質ペレット等の燃焼灰を肥料として活用することで、リサイクル化を促進

今回は、発表資料からの引用のみにとどめ、次回以降、「本当に改革する必要がある事項なのか」「規制緩和の実現可能性」などについて、解説いたします。

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