廃棄物処理法改正の議論は2025年開始の模様
2017年に議論が始まった改正廃棄物処理法の(一部)施行が2018年4月1日だったので、その5年後の2023年には廃棄物処理法改正の議論が始まるものと思い込み、毎日毎日、環境省のメールマガジンをチェックし続けてきました。
とっくの昔に2023年は過ぎ去ってしまい、2024年現在も、環境省からメールが届いた途端に「廃棄物処理制度専門委員会」という文字が無いかを確認する日が続いています。
ここで、「なぜ5年後という数字を持ち出したのか?」という疑問を持った方がいらっしゃると思います。
それは、2017(平成29)年改正時の「附則」で、
附 則 (平成二九年六月一六日法律第六一号)
第五条(検討)
政府は、附則第一条第二号に規定する規定の施行後五年を経過した場合において、新法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
と規定されているため、「2018年(4月1日)+5年後=2023年4月1日以降だよね?」という計算をしていたためです。
しかし、ようやく、「いつになったら法律改正の議論を始めるのか?」と悶々とし続ける必要が無くなりました。
2024年8月19日付産業新聞 「不適正ヤード対応検討 環境省、業者数の実態把握」
環境省は不適正ヤード問題への対応を検討する。2025年度に改正廃棄物処理法の施行後5年の点検時期を迎える。その準備段階として本年度は自治体や事業者へのヒアリングを実施。前回の改正で新たに創設された廃家電など「有害使用済機器保管等届出制度」をはじめとする現行制度の運用状況や課題、新たな規制のあり方を議論する有識者会議の設置を予定する。
2017年改正法の大部分は、2018年4月1日から施行でしたが、
法律改正の手続き上、「改正法の一部(というか大部分ですが)施行日ではなく、全面施行された日から起算する」という方針だったようです。
そのため、電子マニフェストの(一部)義務化に関する改正部分の施行日が、「平成32(2020)年4月1日」だったため、「2025年から検討開始」となるようです。
※参考 当ブログ 2018年2月6日付記事 「施行令改正(補足) 改正法の施行日」
どんなテーマが改正法に盛り込まれるのかに興味が尽きませんが、環境省としては、「雑品スクラップヤード規制」を重要なテーマと考え、前準備として既に有識者会議設置に向けて動き始めているようです。
最近、雑品スクラップヤードや、産業廃棄物処分場で発生した激しい火災に関するニュースが続いているため、「雑品スクラップヤード規制」も社会的に重要なテーマであることは事実です。
しかしながら、個人的には、あくまでもそれは対症療法的対策に過ぎず、制定後50年を経て、社会状況と乖離することが多くなってきた廃棄物処理法の抜本的な改善にはならないと思います。
「専ら物の定義」や「無償での下取り回収」、「実証実験の一環として産業廃棄物処分」等、法律上で明確にすべきテーマは非常に多く存在します。
是非、次の2025年に設置される「廃棄物処理制度専門委員会」においては、これまで積み残してきた、あるいは「見なかったことにしてきた」構造的課題にもメスを入れ、行政や企業活動の効率化アップのためにも、抜本的な見直しに着手していただくことを期待しています。
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2024年8月19日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
カテゴリー:2025年改正