昭和61年1月31日付衛地3号 「近畿圏における廃棄物の広域処理の適正な推進について」

【近畿圏における廃棄物の広域処理の適正な推進について】

公布日:昭和61年01月31日
衛地3号

(厚生省生活衛生局水道環境部計画課長から近畿圏各府県・各政令市廃棄物処理担当部(局)長あて)
標記のことについては、昭和五八年一二月二七日付け環地計第一九号「近畿圏における一般廃棄物の広域処理の適正な推進について」及び昭和五九年五月七日付け環地計第一一号「近畿圏における産業廃棄物の広域処理の適正な推進について」をもってそれぞれ留意事項を通知したが、先般、大阪湾広域臨海環境整備センター(以下「大阪湾センター」という。)の大阪湾圏域広域処理場整備基本計画が認可されたところであり、近畿圏における廃棄物の広域処理の適正な推進を確保するため、今後は左記(政令市にあっては左記の2、3及び5)について格段の配慮を願いたい。

1 広域処理対象区域に指定された管下市町村(以下「関係市町村」という。)に対し、引き続き、大阪湾センターの廃棄物の広域的な処理に係る業務(以下「業務」という。)を踏まえた計画的な一般廃棄物行政の推進に努めるとともに、関係市町村において、府県、他市町村及び大阪湾センターその他の関係機関との連絡調整が円滑に図られるよう指導すること。

2 管内の産業廃棄物の適正処理について、引き続き、一層の推進に努めるよう、事業者、産業廃棄物処理業者等を指導すること。また、産業廃棄物に係る大阪湾センターの業務に関し、引き続き、関係府県政令市、大阪湾センター等の関係機関及び事業者、産業廃棄物処理業者等の関係者との連絡調整に努めること。

3 廃棄物の発生量の抑制、減量化及び資源化を進めることは適正処理を行う上での基本であり、今後ともその推進を図るとともに、大阪湾センターの行う業務が、関係市町村、事業者等が行う廃棄物処理を補完するものであることに鑑み、引き続き、最終処分場の確保に努めるよう関係市町村、事業者等を指導すること。

4 今後、大阪湾センターが広域処理場の基本計画を作成又は変更しようとするときは、あらかじめ各府県において地方公害対策審議会の意見を聴くよう努めること。

5  積出基地への廃棄物の輸送に関し、廃棄物輸送車の走行ルート、走行台数、走行時間等を遵守させるために大阪湾センターの講ずる措置が適正に行われるとともに、低公害車の使用の推進、効率的輸送による廃棄物輸送車の走行台数の削減、廃棄物輸送に伴う悪臭の防止等の対策が実施されることにより、積出基地周辺の環境保全が図られるよう、大阪湾センター、関係市町村、事業者、産業廃棄物処理業者等を指導すること。

※解説
 大阪湾広域臨海環境整備センター(通称、フェニックス)の整備計画認可に伴う通知です。

 通知の内容としては重要なものではないのですが、フェニックスの正式稼動に向けたメモリアル的な通知として、掲載しておきます。

 同様の計画が東京湾においても実施される予定でしたが、そちらは自治体間の調整がつかなかったため頓挫しました。

 大阪湾でのみ、広域臨海環境整備センターが成功した背景としては、
 昭和50年代以降、大阪市や大阪府などが主体的に公害問題の解決に取り組んだ素地があったからです。

 詳しくは、黒田隆幸さんの著作 「それは西淀川から始まった 大阪都市産業公害外史〈産廃篇〉産業公害の終着駅・産業廃棄物 (それは西淀川から始まった-大阪都市産業公害外史 (産廃篇))」を、是非お読みください。

 絶版になった本ですが、名著です。

 図書館などで探すと見つかるかもしれません。

 最後に、大阪湾広域臨海環境整備センターのURLは下記のとおりです。
 http://www.osakawan-center.or.jp

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