昭和62年10月26日付環水企317・衛産34 「アスベスト(石綿)廃棄物の処理について」

【 アスベスト(石綿)廃棄物の処理について 】

公布日:昭和62年10月26日
環水企317・衛産34

(各都道府県知事・各政令市市長あて環境庁水質保全局長・厚生省生活衛生局水道環境部長通知)

 吹付けアスベストの除去工事に伴つて発生する廃棄物等事業活動に伴つて生じたアスベストを含む廃棄物(以下「アスベスト廃棄物」という。)の処理については、当面、左記の事項に留意の上、関係部局間の連絡調整を積極的に行いつつ、関係者に対し適切な指導を行われたい。
 なお、アスベスト廃棄物の処理に関する基準について、今後、必要な調査検討を行うこととしている。

一 アスベスト廃棄物は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第二条第三項に規定する産業廃棄物に該当するので、その処理を他人に委託しようとする排出事業者は、当該産業廃棄物の処理業の許可を受けた者に、アスベスト廃棄物であることを明示して委託するとともに、その処理が適正に行われたことを確認すること。

二 アスベスト廃棄物は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第六条の規定の趣旨を踏まえ、当面、次により収集、運搬及び処分を行うものとすること。

(一) 排出事業者は、アスベスト廃棄物が運搬されるまでの間、アスベストの飛散を防止するため、当該物を湿潤化させる等の措置を講じた後、十分な強度を有するプラスチック袋で二重にこん包し、又は堅ろうな容器に密封して保管すること。なお、プラスチック袋等には、取扱いの適正を期するため、内容物がアスベスト廃棄物である旨の表示をすること。
 ただし、アスベストの飛散するおそれのないアスベスト廃棄物はこの限りではない。
(二) アスベストの飛散防止措置には、発じん防止剤を散布し又は水硬性セメント等により固化する方法もあるので、(一)の措置とあわせて、必要に応じこれらの措置を講じることも差し支えないこと。
 ただし、これらの処理を行う際には、アスベストが飛散することのないよう十分留意すること。
(三) アスベスト廃棄物の運搬及び処分に当たつては、アスベスト廃棄物をこん包したプラスチック袋等の破損又はアスベスト廃棄物の破砕等によりアスベストを飛散させないよう慎重に取扱うこと。
 なお、プラスチック袋等の破損等により、アスベストの飛散のおそれが生じた場合には、速やかに散水し又は覆いをかける等の措置を講じた後、適切に処理すること。
(四) アスベスト廃棄物の運搬に当たつては、運搬車両の荷台に覆いをかけること。
(五) アスベスト廃棄物を埋め立てる場合は、作業用重機等によるプラスチック袋等の破損等のないように、あらかじめ最終処分場内に溝を作り、その溝に投入すること。投入後は、速やかに土砂又はアスベスト廃棄物以外の廃棄物で覆うこと。なお、アスベスト廃棄物はできる限り最終処分場内の一定の場所に処分するよう努めること。
 アスベスト廃棄物を埋め立てた場所は、最終処分場の埋立てが完了した際に、当該最終処分場の表面から深さが二メートル以上になるようにすること。
(六) 最終処分場の管理者は、アスベスト廃棄物を埋め立てた場合、その数量及び位置を帳簿に記載し、その帳簿を保存すること。

三 都道府県知事及び政令市長(以下「都道府県知事等」という。)は、アスベスト廃棄物の処理を行う排出事業者及び処理業者等に対し、アスベスト廃棄物の処理方法等の周知徹底を図ること。

四 都道府県知事等は、必要に応じ、アスベスト廃棄物の排出事業場、最終処分場等の立入検査及び関係者からの報告徴収を行い、今後のアスベスト廃棄物の排出見通しの把握に努めるとともに、アスベスト廃棄物の飛散防止対策等について指導監督すること。

※解説
 最近よく報道されている「石綿含有廃棄物」ではなく、「廃石綿そのもの」に関する取扱いの通知です。
 昭和60年代から問題にはなっていたということですね。

 ただ、その対策が十分でなかったため、今年度中に廃石綿の埋立などに関する施行規則改正が行われる予定です。

 しかし、規則をいくら厳しくしたところで、それを実行するのは人間ですので、不正が起こらないシステムを導入することが不可欠なのですが・・・

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