平成2年3月17日付衛環69号 「再生紙使用の推進について」

※公的な通知文書としては、この平成2年3月17日付通知が、はじめて再生紙利用に言及したものと思われます。

資源節約のためではなく、紙ごみ削減のため、再生紙を利用するようにと通知をしている辺りに、現代とは少し違う趣が感じられます。

平成2年当時は、オゾン層を破壊するフロンガスの問題がようやく取り上げ始められた頃と記憶しております。

現在の視点からすると、今回ご紹介した通知の内容は、少しのんびりとした現状認識に思えるかもしれませんが、
国や社会が問題に対処するスピードとは、かように遅いものという実例の一つでもあります。

皮肉にも、東日本大震災への政府の対処方針では、またもや政府の非効率な面ばかりが強調される結果になっています・・・

【 再生紙使用の推進について 】

公布日:平成2年3月17日
衛環69号

(各都道府県知事あて厚生省生活衛生局水道環境部長通知)
標記については、かねてより御尽力いただいているところであるが、近年の紙ごみの急増に適正に対処するため、さらに一層再生紙使用の推進に努められるとともに、貴管下市町村に対しても、再生紙使用の推進を図るよう指導願いたい。
また、標記について別添1のとおり、平成二年三月一七日付けをもつて当職より別添2の各団体宛て通知しているので、貴職におかれても貴管内の関連業界団体にその周知徹底を図られたい。

別表
再生紙使用の推進について(お願い)
(平成二年三月一七日 衛環第六八号)
(別添2 送付先代表者あて厚生省生活衛生局水道環境部長通知)
日頃より、ごみ処理の適正化につきましては格段の御理解、御協力をいただき感謝いたしております。
さて、御承知のように昭和五○年代にはほぼ横ばいであつた我が国のごみの排出量は、六○年代にはいり急増し、昭和六二年度には四六四七万トン(一日当たり一二・七万トン)と、過去最高であつた前年度を一七二万トン(三・八%)上回り、その後も増加を続けております。その原因としては、オフィスから出る紙ごみが考えられております。
紙ごみの削減のためには、紙の使用量の削減を図るとともに、古紙を回収し、再生紙の原料として再利用することが重要であり、古紙回収を活性化するためには、新たな分野で再生紙の需要を増大させることが必要であります。
このため、地方公共団体をはじめ各方面に再生紙の使用の推進をお願いしておりますが、厚生省でも、平成元年一二月からの試行を経て平成二年四月より、厚生本省全体で導入することとし、厚生本省が発刊・監修する刊行物及び一般事務に使用する各種用紙類を再生紙に切り替えることとしたところであります。
再生紙の利用は、ごみ処理の適正化のみならず森林資源の保護等地球環境保全にも資するものであり、各位におかれましては、再生紙の使用について、さらに一層の御協力をいただくようお願い申しあげます。

(送付先)
(社) 経済団体連合会
(社) 関西経済連合会
日本商工会議所
(社) 経済同友会
全国中小企業団体中央会
全国商工会連合会
日本経営者団体連盟
日本小売業協会
日本チェーンストア協会
日本百貨店協会
(社) 全国スーパーマーケット協会
(社) 日本ショッピングセンター協会
(社) 日本新聞販売協会
(社) 日本印刷産業連合会
日本製紙連合会
(社) 日本書籍出版協会
(社) 日本雑誌協会
(社) 日本新聞協会
(財) クリーンジャパンセンター
(財) 古紙再生促進センター

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