廃棄物焼却施設のダイオキシン濃度(平成20年度)

環境省から、「廃棄物焼却施設のダイオキシン濃度(平成20年度)」が発表されました。

平成20年4月1日から平成21年3月31日までの1年間の全国の廃棄物焼却施設(一般廃棄物焼却施設と産業廃棄物焼却施設)における排ガス中のダイオキシン類濃度の測定結果等について調査し、その結果を取りまとめたので公表します。
この1年間に全国の廃棄物焼却施設から排出されたダイオキシン類の総量は、約83グラムと推計された。その内訳は、一般廃棄物焼却施設からのものが約 42グラム(前年比10グラム減少)、産業廃棄物焼却施設からのものが約41グラム(前年比17グラム減少)であった。これは、昨年の調査期間(平成19 年4月1日から平成20年3月31日まで)における廃棄物焼却施設からのダイオキシン類の推計排出量約110グラムとの比較では約25%削減したことになり、ダイオキシン類対策特別措置法(平成11年法律第105号)第33条第1項の規定に基づく「我が国における事業活動に伴い排出されるダイオキシン類の量を削減するための計画」(平成17年6月変更)上の基準年である平成15年度からも順調に減少している。
なお、同計画では、平成22年の廃棄物焼却施設からの排ガス中のダイオキシン類排出量を、平成15年の145グラムに比べ約30%削減する目標としており、平成20年の実績では約43%削減されており、目標を達成している。

【参考】
ダイオキシン類対策特別措置法(平成11年法律第105号)第33条第1項の規定に基づき、平成12年9月に策定された「我が国における事業活動に伴い排出されるダイオキシン類の量を削減するための計画」では、平成14年度末に廃棄物焼却施設からのダイオキシン類排出量を、平成9年に比べ約92%削減することを目標としていたが、平成15年の実績では約145グラムと約98%削減されており、目標を達成している。

各目標の中で、唯一ダイオキシン対策だけが、円滑に実施が進み計画を前倒しして成果が表れています。

ただし、これはあくまでも事業者などの自主測定結果を集計したものであり、真実のダイオキシン類発生量とは少し異なっている可能性があります。

現実問題としては、排出基準を超過しないような燃やし方をさせた、言わば理想的な燃焼条件のもとで測定された結果ばかりだということです。
しかしながら、世界でも有数の焼却炉大国である日本で、官民挙げて焼却炉の改善対策に尽力した結果、廃棄物の焼却に伴うダイオキシン類の発生量が著しく減少したのも事実です。

日本全体としては、環境省発表のとおり、ダイオキシン類の発生量が少なくなっていると思って間違いないでしょう。

しかし、環境省の添付資料にもある通り、個々の焼却施設ごとを見てみると、排出基準を超過したところが4か所あったようですので、まだまだ気を抜くことはできないようです。

これだけ高度な日本のダイオキシン対策技術を海外に導入できれば良いのですが、発展途上国にとっては、日本の焼却技術は高価すぎるということになり、世界中に技術を普及させるためには、コスト面の改善が必須となっております。

このエントリーを含むはてなブックマーク

タグ

トラックバック&コメント

この投稿のトラックバックURL:

コメントをどうぞ

このページの先頭へ