硫酸ピッチの不適正処理の状況(平成19年度)について

4月7日に、環境省から「硫酸ピッチの不適正処理の状況(平成19年度)について」が発表されました。

環境省の発表によると

  • 平成19年度に確認された硫酸ピッチの不適正処理は、件数で3件、量で127本(ドラム缶換算本数。以下同じ。)
  • 平成11年度から平成19年度までに確認された硫酸ピッチの不適正処理の累計は、件数で276件、量で69,457本であり、うち250件、61,317本については処理済み
  • 硫酸ピッチの不適正処理は、件数、量ともに、減少傾向にある

とのことでした。

※予備知識

硫酸ピッチとは(上掲の環境省発表資料より抜粋)

硫酸ピッチは、不正軽油(A重油と灯油を混和させて軽油として使用・販売するものであり、軽油引取税を脱税しているものをいいます。)を密造する際に、A重油及び灯油に含まれている識別剤クマリンを除去する目的で、濃硫酸による処理を行う際に発生する、廃硫酸と廃炭化水素油との混合物です。硫酸ピッチは、著しい腐食性や有毒ガス発生など、健康又は生活環境に著しい被害を生ずるおそれがある性状を有します。

上記の説明にあるとおり、硫酸ピッチは有毒ガスを発生させる危険な廃棄物ですので、まずは硫酸ピッチを製造させないこと、つまり、不正軽油を製造させないことが重要です。

軽油を不正に製造されてしまうと、「軽油引取税」の脱税にもつながりますので、産業廃棄物担当課のみならず、都道府県の課税部局も、不正軽油の密造に対して目を光らせているところです。

地方ごとに時期は異なりますが、「不正軽油追放強調月間」などのキャンペーンをはり、路上検問などを強化してきたことが、硫酸ピッチの不適正処理減少につながったのかもしれませんね。

ただ、今回の統計は「平成19年度」のデータですので、原油が史上最高値を更新した「平成20年度」を集計してみると、今回の結果よりも硫酸ピッチの不適正処理が増える可能性はあります。

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