環境産業市場規模推計(2012年)

2014年4月11日付で、環境省から 環境産業市場規模推計の公表について(お知らせ) が公表されました。

2.結果の概要(詳細は別紙)
(1)環境産業市場規模関連
[1]環境産業の市場規模、雇用規模の推計:
 環境産業の市場規模については、リーマンショック等の影響により2009年に減少しましたが、その後増加に転じ、2012年は約86兆円(前年比約4.8%増)となりました。また、雇用規模については、2012年に約243万人(前年比3%増)となり、過去十年間、概ね増加する傾向にあります。
 なお、これらの推計に当たっては、近年の環境産業の発展を踏まえ、新たに8分野(「複層ガラス・断熱型サッシ」等)を推計対象とするなど推計方法を改良した上で、2000年まで遡及して推計しています。
[2]環境産業の付加価値、輸出入の推計:
 市場規模推計結果及び産業連関表を参考として、環境産業の付加価値額及び輸出入額を試算したところ、2012年環境産業の付加価値額は約37兆円(2012年の名目GDPの約7.8%)、輸出額は約9.2兆円、輸入額は約1.9兆円となりました。

環境産業全体としては、市場規模が増大傾向とのことですが、
個別の市場ごとにその増大の規模は異なっています。

marketscale

ただし、「廃棄物処理、再資源化」という分類では、前年度よりも「市場規模」及び「雇用規模」の双方で市場が縮小しています(苦笑)

small
※表は環境省公表資料を抜粋・加工

「電子書籍」が資源有効利用産業に分類されるというのも、かなり大雑把な分類という印象をぬぐえませんが、
「廃棄物処理、再資源化」という分類では、ほぼ前年並みの規模を示す数値であるものの、いずれも前年より減少しています。

さらに細かい産業分類ごとの内訳を見てみると
small2
※表は環境省公表資料を抜粋・加工

「RPF製造装置」の「雇用規模」が59人と、正確なのかテキトーなのか判別しがたい数値になっている他、
一般廃棄物処理費全般が前年と同一の数値(=正確な統計がないために推計に頼らざるを得ない)になっている等、統計の精度としては非常に粗いものとなっています。

RPF製造企業は数社あるはずですが、雇用規模が59人ということはないだろうと思います(笑)。

また、小型家電リサイクルが市場規模ゼロ円となっていますが、2012年の統計とはいえ、当時既に小型家電リサイクルに取り組んでいた地域・企業がありましたので、この点においても正確性に欠けます。

統計の正確性が疑われる「廃棄物処理・資源有効利用」分野とは異なり、「再生可能エネルギー発電システム」などが含まれる「再生可能エネルギー利用」分野は、それなりに市場規模が大きく数字の信憑性も高そうな結果となっています。

関心がある方は環境省の発表資料で確認してみてください。

このエントリーを含むはてなブックマーク

タグ

トラックバック&コメント

この投稿のトラックバックURL:

コメントをどうぞ

このページの先頭へ