産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可状況(平成20年度)

5月24日に、環境省から「平成20年度産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況」が発表されました。

http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=17599&hou_id=13811 

産業廃棄物処理施設の設置状況(≒日本全体の産業廃棄物処理能力)

最近の傾向としては、「木くず又はがれき類の破砕施設」と「廃プラの破砕施設」の2施設の数が毎年増加していたのですが、
平成20年度の「木くず又はがれき類の破砕施設」の施設数が、はじめて前年度より減少しました。

「廃プラの破砕施設」は、前年度よりも増加しました。

ただし、両施設とも、前年度よりも新規設置件数が減少しています。
廃プラの破砕施設の場合は、廃止件数が前年度よりも減ったため、新規設置件数との差し引きで、施設数自体は若干増加しただけです。

平成20年度はリーマンショックが発生した年ですので、
建設廃棄物の発生量が急減した年でもあります。

そのことと、設備投資熱が一気に冷めたことで、新規設置件数が減少し、逆に廃止件数が増加したものと思われます。

2.産業廃棄物処理業の許可件数(≒処理市場の飽和度)


許可件数については、前年度比で5.7%増となっています。

ただし、許可件数の増加が、そのまま新規参入の数を意味しているわけではありません。

他業種などから廃棄物処理業に新規参入する場合、新規許可を取得する必要がありますが
「収集運搬業」と「処分業」の双方で、新規許可件数が前年度よりも減少しています。

その代わりに、
既存の許可業者が、許可の有効期間満了に伴い、有効期間の再延長を申請する更新許可の件数が、前年度よりも大幅に増えています。

ただ、既存の許可業者であっても、処理業を廃業する「廃止届」を出しているところが、
前年度よりも22.7%も増加していますので、処理業界としては決して楽な競争環境ではないことも事実です。

3.取消処分件数の推移

許可の取消件数がまたもや激増しました。

平成15年度の法改正以降、欠格要件に該当した処理企業の許可取消が義務化されましたが、
平成16年度に945件に上った後、平成17年度から平成19年度までの3年間は約800件ほどに落ち着いていました。
※落ち着いたといっても、最悪との比較でそう見えるだけで、800件というのは決して少ない数ではありません。

しかし、平成20年度に入り、再び900件の大台を突破してしまいました。

最近多くの処理業者の方とお話しして感じることなのですが、喉元過ぎれば熱さ忘れるで、
法律の処理基準などが疎かになっている企業が多いように思われます。

今までは幸いにして行政などに違反が発覚していなかったかもしれませんが、
それはただ単に運が良かっただけで、「通報」や「立入検査」などによって、いつ何時違反が当局に感知されるかわかりません。

積極的な悪意を持って違反をしている企業はほとんどありません。

単なる無知や誤解によって違反状態になってしまっている企業がほとんどです。

しかしながら、そのような事情とは関係なく、違反は違反として処罰されるのが現実です。

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