産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況(平成30年度実績)

2021年5月17日に、環境省から、「産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況(平成30年度実績等)について」が発表されました。

1.産業廃棄物処理施設の設置状況(≒日本全体の産業廃棄物処理能力)

産業廃棄物処理施設全体としては、前年度よりも36施設減少しました。

平成29年度以降、2年連続で産業廃棄物処理施設の数が減少していることになります。

一部、下記の7施設のように、前年度よりも数が増えたものがあります。

「コンクリート固形化施設(+1【前年度の施設数との比較、以下同様】)
「廃石綿等又は石綿含有廃棄物の溶融施設(+1)」
「廃プラスチック類の破砕施設(+19)」
「木くず又はがれき類の破砕施設(+25)」
「汚泥の焼却施設(+14)」
「廃油の焼却施設(+12)」
「PCB廃棄物の焼却施設(+2)」

2.産業廃棄物処理業の許可件数

事業者数ではなく「許可件数」ですので、一社で複数の自治体の許可を取得した場合、その許可件数がすべてカウントされることになります。

2015(平成27)年以降、許可件数が増加傾向にある理由はわかりません。

建設工事における下請による収集運搬業許可の取得が定着しつつあるのかもしれません。

自主的に業許可を廃止する「廃止届」は1,839件と、前年度よりも24件減少しました。

3.取消処分件数の推移

平成30年度の許可取消件数は、前年度よりも118件少ない260件でした。

ここ10年では最低件数となります。

産業廃棄物処理業界の意識レベルが急激に改善したのでしょうか?

それとも、行政による犯歴調査がおざなりになったのでしょうか?

同じような法律違反に対する行政処分の内容が各自治体間で大きく異なる事例が散見される現状から考えると、業界の意識レベルが一気に改善したという理由ではなさそうです。

4.最終処分場の状況

平成30年度は、最終処分場の残余容量(埋立可能な容積)が前年度よりも60万5千立法メートル減少しました(しかし、前年度比で約0.4%の減少に過ぎないため、ほぼ変化無しと言えます)。

その一方で、最終処分場にあとどれくらいの期間埋立てられるかの目安となる「残余年数」は、前年度よりも1.0年長くなりました。

バケツ(残余容量)自体は若干小さくなったものの、バケツに流れ込む水の量(最終処分量)が前年度比で約6%減少した影響と思われます。

具体的には、平成30年度の最終処分量は、前年度より57万トン少ない913万トンでした。

その他

「法第19条の5に基づく措置命令」は15件と、前年度よりも11件減少しました。
「法第19条の6に基づく措置命令」は相変わらずの0件です。

このエントリーを含むはてなブックマーク

タグ

トラックバック&コメント

この投稿のトラックバックURL:

コメントをどうぞ

このページの先頭へ