産業廃棄物の不法投棄等の状況(令和2年度)

2022年1月25日に、環境省から「産業廃棄物の不法投棄等の状況(令和2年度)について」が発表されました。

環境省の発表内容によると、

(1)令和2年度に新たに判明した不法投棄事案
  ・不法投棄件数    139件   (前年度151件)    [-12件]
  ・不法投棄量   5.1万トン   (前年度7.6万トン)    [-2.5万トン]

(2)令和2年度に新たに判明した不適正処理事案
  ・不適正処理件数  182件   (前年度140件)    [+42件]
  ・不適正処理量  8.6万トン   (前年度5.6万トン)    [+3.0万トン]

(3)令和2年度末における不法投棄等の残存事案
  ・残存件数     2,782件 (前年度2,710件) [+72件]
  ・残存量     1,567.4万トン (前年度1,562.6万トン) [+4.8万トン]

でした。

「不法投棄」の件数と量は共に前年度よりも減少していますが、「不適正処理事案」は、件数と量共に前年度よりも増加しています。

そのうち、不適正処理件数については、前年度の140件から30%も増えていますので、本来なら由々しき事態と評価すべき状況だと思います。

環境省は、「不法投棄」と「不適正処理」の違いを明確に定義していませんので、独断でわかりやすく説明をするならば、
「不法投棄」は、文字どおり産業廃棄物をどこかの場所に投棄したもの
「不適正処理」は、「一時保管」や「仮置き」と称した、比較的大量な産業廃棄物の不適切な保管
と、考えていただければよろしいかと思います。

もっとシンプルに表現するならば、
「不適正処理」は、それを放置すると「不法投棄」状態にすぐなる「不法投棄予備軍」と言えます。

それゆえに、「不適正処理件数」が増加したということは、それだけ「不法投棄予備軍」が増加したことになります。

不法投棄実行者の内訳

令和2年度も、「投棄件数」の約半分は「排出事業者」が実行者でした。

しかし、「投棄量」で見ると、「無許可業者」が約1.4万トン(前年度は約488トン)で全体の27.3%と、無許可業者による不法投棄量が例年以上に高い割合を占めています。

また、不法投棄された産業廃棄物の約4分の3が建設廃棄物と、令和2年度は例年どおりの傾向に戻りました。

このエントリーを含むはてなブックマーク

タグ

トラックバック&コメント

この投稿のトラックバックURL:

コメントをどうぞ

このページの先頭へ