埼玉県が「価格交渉支援ツール」を無償公開してくれました

あったらいいなをカタチにしてくれたありそうでなかった便利ツールを埼玉県が無償公開してくれました。

埼玉県HP 「価格交渉支援ツール

価格交渉を行う際には、原材料価格の推移の根拠資料が必要となる場合があります。当該ツールは、表計算ソフトを使用し、主要な原材料価格の推移を示す資料を簡易に作成できます。

特長
・主要な原材料価格(1,420品目)の推移を示す資料を簡易に作成可能
・日本銀行の公表データ*に基づいており、正確性を担保
・どなたでもお使いいただけるよう表計算ソフトを使用

*原材料等の価格推移には「国内企業物価指数」(807品目)「輸入物価指数」(375品目)「企業向けサービス価格指数」(237品目)(いずれも日本銀行調査統計局)のデータを使用。人件費(1品目)の推移には「毎月勤労統計調査」(厚生労働省)を使用。

※画像も上記の埼玉県HPより転載

交渉の場において、要求を呑んでもらうためには、その要求に正当性があることを理解していただくことが不可欠です。

口八丁で他人を操ることに長けた人もたまに存在しますが、企業活動において、口八丁だけで話が進むことはほぼありません。

たとえば、値上げの要求であれば、「現状」と「値上げの必要性」を交渉相手に理解してもらうことが大前提となり、その後「具体的な値上げ幅の調整」に入ることがほとんどだと思います。

この「現状」と「値上げの必要性」をどうやって説明するかが、実務的な課題であるわけですが、そうした資料作りに慣れていない人にとっては、「書類のフォーマットを考える」という初期段階で、膨大な時間と労力が掛かることが多いと思われます。

また、そうして頭を悩ませている間に事態がさらに変化し、「説明資料を最初から作り直ししなければ!」という状況に陥ることも多いことでしょう。

埼玉県の「価格交渉支援ツール」は、そのような初動段階で暗中模索している人にとっては、作業効率改善に大いに役立つことでしょう。

「1,420品目」という「人件費」その他の原材料(コスト)価格をExcelで瞬時にグラフ化し、「〇〇の高騰状況」としてきれいに出力できる便利ツールが無料で使える上に、「基礎データは毎月中旬ごろに更新」されるとのことですので、現状を反映した正確な資料作成が可能となっています。

あるいは、価格交渉のみならず、自社業界を取り巻くコストアップ状況を把握し、自社が適切に価格転嫁できているかどうかを確認するのも良さそうです。

なんだか通信販売のCMみたいになってしまいましたが、このツールが無償公開されたお陰で、資料考案と作成に費やされる各企業の労働時間が大幅に削減できますので、社会全体に与える好影響は非常に大きなものがあります。

以下、実際に「価格交渉支援ツール」を使ってみた様子

「廃棄物処理業」は設定されていないので、試しに「道路貨物運送業」でやってみた

すると、あとは「チラシシート」タブをクリックするだけで、「主要原材料費等の高騰状況」というシート内容が自動的に出力された

まったく簡単だ!(笑)by懐かしの「ブルワーカー」

もちろん、このチラシだけで価格交渉が終わるわけではありませんが、最新の統計データを反映したものであるため、かなりの説得力を持った資料を瞬時に作成できることは大きなメリットです。

願わくば、埼玉県にはデータ更新のための予算をずっと確保していただき、この支援ツールが永久に中小企業の救い手として存在し続けてくれますように(祈)。

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