異業種大資本からの新規参入

読売新聞 読売ONLINE
業績改善 異分野へ攻勢…定款変更提案相次ぐ 株主総会

記事を一部抜粋転記します。

 目薬大手のロート製薬は、「農産物の生産、販売」「水産業の代行、請負」など11項目を定款の事業目的に加える方針だ。24日に開く株主総会に提案する。具体的な参入時期や内容は「未定」だが、農水産品を原料にした漢方薬の拡充などが念頭にあるとみられる。

 さらに自社開発の熱分解炉システムを外部に販売するため「産業廃棄物の処理および再生事業」も定款に加える。プラスチック、廃タイヤ、生ゴミなどから軽質油やメタンガスを生成するシステムで、11月に上野工場(三重県)に導入する。これを新興国市場にも投入し、2012年度には約50億円の売り上げを目指す。

「製薬」というまったくの異業種から、産業廃棄物処理事業にロート製薬が乗り出すとのこと。
2年後には50億円の売上を目指すとのことですから、意気軒昂です。
5年前の日本なら、「製薬会社が産業廃棄物処理事業に乗り出すなんてイメージダウンになる」という迷信(笑)が、まことしやかにささやかれていましたが、ようやく日本でも、その呪縛が解かれたのだと思うと、少し爽快な気分がします。

廃棄物処理事業には、異業種大資本をひきつける魅力と成長性があるという証左に他なりません。
ただ、異業種大資本を迎え撃つ側の既存業界団体には、最近元気な企業が少なくなっているのが気がかりです。

これまでの「規制によって守られた業界」という意識を一日も早く捨て、「日本のみならず、世界の環境保全に貢献するのだ!」と意識変革をしないことには、異業種大資本から蹴散らされてしまいます。
無論、海外に進出すれば問題がすべて解決するわけではありませんが、国内のみで部分均衡を続けるのは年々難しくなるでしょう。

一昔前にも、異業種からの廃棄物処理事業への参入ブームがありましたが、現在は、地球温暖化対策に代表される、グローバルな環境意識の高まりがあります。
廃棄物処理・リサイクルをめぐる現在の社会情勢は、明らかに以前の新規参入ブームとは異質、別次元です。

ロート製薬の参入は、一過性のブームではなく、後に続く異業種大資本のほんの先駆けであるように思います。

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