レアアース禁輸措置に見る中国の焦り

産経ニュース レアアース禁輸見越す「影響は軽微」

最近、中国関連の騒ぎが多く、内心辟易としていますが、
「中国はいつかやるだろう」と思っていたレアアースの禁輸措置が、実際に起こりました。

しかし、
レアアースと言う資源の採取先を中国に97%も依存というのは、明らかに地政学的なリスクであったため、
産経ニュースの記事にある通り、多くの日本企業は代替措置を準備済みでした。

日経ビジネスの記事にもありましたが、
逆に、なぜ中国はこの時期に禁輸措置に踏み込んだのかを考える必要があります。

どうせやるなら、今ではなく、昨年までにやっていた方が効果は大きかったはずです。
その時点では、まだ日本の準備が整っていませんでしたから。

今頃ようやく腰を上げ、急に禁輸措置を打ち出した原因は、
日本との政治関係の悪化の他にも、中国以外の産出国が台頭し始めたことへの焦りが大きかったものと思われます。

不動産バブルや人件費の高騰など、日本が30年かけて経験してきた難問が、中国にはこの5年で一挙にふりかかった感があります。

ネット上では中国の挫折を望む声が多いのですが、中国がこけてしまうと、日本の懐も一気に冷えてしまいます。

中国でバブルが崩壊するのは避けられないとしても、今のうちに、中国以外の国との連携を深め、中国のみに依存しない経済体制を作っておくことが不可欠です。

その一方で、レアメタルやレアアースを回収するためのリサイクル網を構築することも必要です。

そのためには、製造事業者と消費者、処理業者、市町村のすべてが協調し、「オールジャパン」の精神で、歩を進めていかねばなりません。

どれか一つの協調が欠けても成り立たない、今後の日本の生命線となる、重要な取組みですので。

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