岐阜市、土地所有者に数億円の納付命令発出

YOMIURI ONLINE 撤去費用一部納付を命令 岐阜の産廃不法投棄問題で4社に

 岐阜市椿洞の山林に産廃会社「善商」が大量の建築廃材を不法投棄していた問題で、同市は5日の市議会ごみ・産廃対策特別委員会で、善商の不法投棄にかかわっていた建設会社「新和建設」(垂井町)など4社に対し、行政代執行費用の一部8億2400万円を支払うように納付命令を出したことを報告した。

 市によると、4社は不法投棄場所に土地を所有していたり、搬入作業の手伝いをしたりして善商の不法投棄に関与していたという。

 市は廃棄物の撤去作業を行政代執行で2012年度までに完了する予定。費用は総額約100億円に上る見込みで、これまでに約34億円を善商に請求している。

善商不法投棄事件の爪痕がいまだに残っています。

岐阜市は不法投棄実行者の善商に対して34億円の撤去費用の負担を求めていますが、
34億円全額の回収は100%不可能です。

結局、撤去費用100億円を負担するのは、岐阜市民と日本国内での納税者全員ということになります。

ここまで巨額の“負債”になるまで放置した岐阜市の不作為責任は大なるものがありますが、
今回は問題の別の側面に焦点を当てます。

本来、廃棄物処理法では、土地を貸しただけの地主に対し、措置命令などをかけることはできません。

今回取り上げた岐阜市の措置は、措置命令ではなく、行政代執行費用の納付命令ですが、
善意無過失の地主であったなら、一般的には納付命令の対象にもできません。

しかし、今回は地主に対し納付命令が発出されました。

納付命令が発出された経緯が公開されていないため、推測の域を出ませんが、
報道で取り上げられた数社は、単なる地主ではなく、善商の不法投棄に何らかの関与をしていたのかもしれません。

または、あれだけ大規模な不法投棄が実行された以上、
「善意(不法投棄されたことを知らなかった)」でも、「無過失(不法投棄の防ぎようがなかった)」でもない
とみなされたのかもしれません。

岐阜市のHPを見てみると
たくさんの関係者に同様の納付命令を発出しています。

その中には、既に廃棄物処理業の許可を取り消され、事業活動をしていない処理企業も見受けられました。

一度不法投棄に関与すると、
会社の清算でもしない限り、永遠に行政からの追及の対象になるという実例です。

2010年改正では、土地所有者に不法投棄の通報義務(努力義務)が課されました。

善意無過失の地主でも、不法投棄のリスクを見過ごすことはできなくなりました。

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