業許可がないのに処理業者と呼ぶ弊害

NHKニュース 環境省 補助金不正受給で告発

私のfacebookの友人の間で、「京都のどの業者なのか?」と話題沸騰のニュースでした(笑)が、
どの業者のことなのか最後まで判明しませんでした。

それもそのはずで、第二報(上掲のURL)で報じられた企業名を調べてみると、産業廃棄物処理業者ではなかったからです。
「収集運搬業の許可くらいはあったかも」と思い、京都市と環境省のサイトで検索をしましたが、収集運搬業の許可も持っていなかったようです。

NHKの画像を見ると、がらんどうの工場建屋があるばかりで、操業の実態さえなかったようです。

それでも、天下のNHKでさえ、
「悪いことをしている業者は産業廃棄物処理業者扱いでも問題なし!」と言わんばかりの表現です。

産業廃棄物処理業の許可を持っていない業者を、産業廃棄物処理業者と呼ぶことは日本語として間違いです。

業を適正に行うことができない事業者を、まっとうな処理業者と呼ぶのは、
馬を鹿と呼ぶくらいの事実誤認です。

このような日本語の誤用を、マスコミが平然と行っている現状にはうすら寒いものを感じます。

「まっとうな廃棄物処理業者を故意に貶める陰謀か!」と思う時もありますが、
単にメディアの言葉に対する意識が低すぎるということなのでしょう。

さて、このような誤用がマスメディアで幅広く行われると、
「廃棄物=危険」、あるいは「廃棄物処理業者=悪」というステレオタイプの意識付けが繰り返され、
廃棄物の意味や実態をよく知らない人にとっては、メディアから受けた印象がすべてとなり、物事を正しく認識できなくなります。

「たかが言葉の使い方くらい」と言われそうですが、
現代社会は映像と言葉のセットで報道がなされますので、
言葉から受けるイメージは、映像から受ける(だいたいは)ひどいイメージと同一化してしまいます。

本来なら、廃棄物処理業界が適切にマスメディアに対して、表現の修正を申し入れるべきだと思います。

そうしないと、業界とは無関係な企業の犯罪により、業界自体のイメージまで悪化してしまうからです。

今日は哲学的、かつ文化的な記事になってしまいましたが、
元々の事件の発端は、現地確認をせずに補助金の交付決定をした環境省の怠慢にあります。

もちろん、法律で現地確認が義務付けられていたわけではないので、環境省の怠慢は違法ではありません。

しかし、血税からいやしくも1億円という大金を、書類審査だけで操業実態のない企業に対し、右から左に与えてしまった責任は非常に重いものがあります。

排出事業者に処理状況確認を義務付けながら、自分たちは確認のカの字さえ行わない無責任さを、マスメディアは徹底的に追及するべきです。

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