不法投棄事件4連発

ここ数日、不法投棄事件が連続して発生していますので、一気に四件ご紹介しておきます。

毎日.jp 不法投棄:産廃320キロ 容疑の78歳女ら逮捕−−小郡署 /福岡

 容疑は5月4日午後4時ごろから同6時半ごろの間、近くの雑木林などに木製トロ箱や乾電池など計約320キロを捨てたとされる。

 同署によると、木原容疑者が市外の食品販売会社に数万円の処理手数料で処分を持ち掛けた。木原容疑者が軽トラックを運転し、幸尾容疑者らと数回に分けて運搬したという。

 廃棄されたゴミの中からこの食品会社関係者宛ての領収書が見つかり、木原容疑者が浮上。幸尾容疑者は木原容疑者自宅の離れを間借りし、別棟にも他の男数人が住んでいた。会社側は、廃棄物計約1トン以上を渡したと話しているといい、他にも不法投棄しているとみて調べる。

不法投棄実行者が逮捕されるのは当然ですが、委託者である食品会社の責任も重大です。

主犯格は78歳の女性ということですので、ほぼ確実に廃棄物の撤去ができないものと思われます。

そのため、食品会社が自主的に廃棄物を撤去・処分しない限り、非常に高い確率で、食品会社に対し措置命令がかけられるだろうと思われます。

さきがけon The Web敷地にクマの死骸埋める、元経営者 廃棄物法違反か

 女性従業員2人がヒグマに襲われて死亡した鹿角市の秋田八幡平クマ牧場(7日付廃業)で、けがなどで死んだクマの死骸を元経営者らが重機で敷地内に埋めていたことが26日、分かった。埋められた死骸は昨年以降、少なくとも6、7頭とみられる。同牧場で死んだクマは一般廃棄物に当たり、廃棄物処理法は廃棄物をみだりに投棄することを禁止。県の聞き取り調査に対し、元経営者は「埋めると駄目だと言われるので、県には黙っていた」と話していた。

 事故を受け県生活衛生課は5月下旬、牧場への聞き取り調査を実施。業務上過失致死の疑いで逮捕、送検された元経営者の長崎貞之進(68)=大館市=と元従業員の舘花清美(69)=鹿角市=の両容疑者が、クマの死骸を埋めたことを認めていた。

「埋めると駄目だと言われるので、県には黙っていた」というくらいですから、行為者自ら違法性を認識していたことは間違いなさそうです。

廃棄物法務エキスパート協会の無料説明会でお話ししたところですが、組織の崩壊は、外部からの攻撃ではなく、内部からの崩壊によって始まります。

毎日.jp 不法投棄:液状化被害住宅、廃材700キロ処分 容疑で2人逮捕 /千葉

 逮捕容疑は、今年4月7日、我孫子市我孫子新田の資材置き場に、一戸建て民家を解体した際に生じたがれきやコンクリート片(計約700キロ)を、許可なく埋めて処分したとされる。飯田容疑者は「捨てたことは間違いない」と容疑を認めているという。

 解体した民家は、震災による液状化で住めなくなり、飯田容疑者らが相場より数十万円安い約90万円で解体を請け負っていた。廃材の一部は産業廃棄物として適正に処分したが、分別に手間がかかる小さな廃材を不法投棄していたという。4月7日に近くの人が違法投棄現場を目撃し、市役所などに通報して発覚した。

安値で受注したために廃棄物処理費用を捻出できなくなり、短絡的に不法投棄という、古典的な不法投棄事件でした。

中日新聞 陶磁器くず不法投棄疑いで社長ら逮捕

 信楽焼陶磁器の製造の過程でいらなくなった廃石こう、陶磁器くずを捨てていたとして、県警生活環境課と甲賀署などは二十七日、廃棄物処理法違反(不法投棄)の疑いで、陶磁器製造業A(甲賀市信楽町長野)の社長、専務、営業部長の三容疑者を逮捕した。

 逮捕容疑では、三人は会社ぐるみで、Aが所有する甲賀市信楽町黄瀬の山林に、昨年八月二十三日~今年四月十二日に七回にわたり陶磁器くずなどを投棄したとされる。投棄量は陶磁器くずが百五十立方メートル、石こうが九十立方メートルに上り、容疑者は「処分料を浮かせるためだった」と供述している。

 Aは甲賀市信楽不燃物処理場で、一キロ五十円で処分していたが、県警は千二百万円ほどの処分料を浮かせたとみている。処理場の記録では、Aは二〇一〇年八月ごろから処理場で処分していないという。県警ヘリの上空パトロールで、陶磁器くずが大量に廃棄されている様子が確認されて、容疑が浮かんだ。

 

さすがに信楽焼の産地だけあって、甲賀市が1キロ50円で陶磁器くずの処理を引き受けている点に興味が惹かれました。

1キロ50円ですから、産業廃棄物業者に出すよりもずいぶん安い価格で処理できていたわけですが、それでも処理費を削減したかったということは、かなり経営が苦しかったのかもしれません。

今回ご紹介した4件の不法投棄は、1番目の福岡県の事件(無許可業者)を除くと、すべて排出事業者が自ら不法投棄を実行しています。

消費税増税が決定するなど、零細企業の懐を直撃する変化がますます起こるようになりますので、今後もこのような短絡的な不法投棄事件が増えそうです。

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