積替え保管をするには許可が必要です
無許可で積替え保管行為をした業者が警察から捜索を受けたというニュースです。
NHKオンライン 無許可で産廃保管 業者捜索
神戸市にある産業廃棄物の収集運搬業者が、解体工事で出た産業廃棄物を無許可で会社が所有する敷地に一時的に保管するなどした疑いが強まったとして、警察は、業者の保管施設を廃棄物処理法違反の疑いで捜索しました。
警察は、廃棄物をまとめて運ぶことで、運搬コストを減らそうとしたものとみて調べています。
捜索を受けたのは、神戸市西区にある産業廃棄物の収集運搬業者の保管施設です。
警察の調べによりますと、この業者は、ことし4月から5月中旬にかけて神戸市の許可を得ずに住宅の解体工事で出た廃プラスチックや木くずなど、コンテナ3個分の産業廃棄物を保管施設で一時的に保管し、後日、まとめて積み替えた上で処分場に運んだとして、廃棄物処理法違反の疑いが持たれています。
この業者は、廃棄物の収集と運搬に関しては市の許可を取っていますが、収集した廃棄物を処分場に運搬するまでの間に一時的に保管して1つにまとめて積み替える業務に関しては、許可を得ていないということです。
警察は、集めた廃棄物を保管して一定量になったところでまとめて処分場に運ぶことで、運搬コストを減らそうとしたものとみて調べています。06月28日 18時54分
最近、こういった基本的な(?)違反が厳しく取り締まられる傾向があるので、大変喜ばしい限りです。
真面目な事業者が正当な競争をするためにも、違法業者はもっと厳しく取り締まるべきですね。
今回は、建設廃棄物を無許可で積替え保管したという違反のようですが、
収集運搬業者が自ら解体工事をした結果でた廃棄物、つまり自社物なら、積替え保管的な保管をしたとしても違法ではありません。
その場合でも、保管面積が300平方メートル以上ある場合は、廃棄物処理法第12条第3項に基づき、廃棄物保管場所の事前届出が必要になります(今のところ建設廃棄物限定)。
神戸市の場合は、積替え保管を行う場合でも隣接土地所有者及び建物所有者の同意書が必要とされるので、捜索を受けた業者はそれが面倒だったのかもしれません。
現実問題として、積替え保管許可なしに、このような操業をしている収集運搬業者が数多く見受けられますが、やるならやるで、適正に許可を取得する必要があります。
これは当方の売上増のために言っているのではないことを、今回の報道で理解いただけると思います(笑)。
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2012年6月29日 | コメント/トラックバック(4) | トラックバックURL |
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コメント
自社の敷地であっても、無許可の積み替え保管行為に該当します。
自社物であっても違反です。
てしま けい 様 コメントいただき、ありがとうございました。
自社物というのは、ある会社が発生させた廃棄物を、その会社自身が保管や運搬することを指しますので、
他者が発生させた廃棄物を扱う収集運搬業とは異なり、処理業の許可を取得する必要はありません。
したがって、建設工事の元請業者が、自社が発生させた廃棄物を、自社の敷地(他者所有の敷地でも同様の結論ですが)
に持ち帰り、保管する場合も、積み替え保管を含む収集運搬業許可取得は必要ありません。
一部の都道府県は、自社物の廃棄物保管場所の事前届け出を条例などで義務付けているところがありますが、
それも届出であって、廃棄物処理法の許可が必要なわけではありません。
よろしくお願いします。
元請業者から工事を依頼された下請業者が、建設廃棄物を自社に持ち帰るのは違法行為に当たるのでしょうか。
排出事業者(元請)による事業場外での保管は可能ですが、実際に工事をするのが下請業者である以上、廃材を取り扱うのは下請業者だと思います。
この場合は無許可の積み替え保管になってしまうのでしょうか。ニュースの内容はこのようなケースが対象になったということに見えました。
適法に行うなら下請業者が収集運搬業の許可を取得し、元請業者の所有する保管場所へ運搬する形になるのでしょうか。
または積み替え保管の許可を取得するべきなのでしょうか。運搬業の許可取得よりハードルが高いように思えます。
あるいは下請業者の保管場所を元請業者の名義で借用するなどは可能でしょうか。
コメントいただき、ありがとうございます。
まず原則として、
建設廃棄物の排出事業者は元請でしかありえません。
>適法に行うなら下請業者が収集運搬業の許可を取得し、元請業者の所有する保管場所へ運搬する形になるのでしょうか。
それが法的には理想的な解決手段と考えます。
>または積み替え保管の許可を取得するべきなのでしょうか。運搬業の許可取得よりハードルが高いように思えます。
お考えのとおり、積替え無しの許可取得よりも事業説明会を課されることが多いため、ハードルは高いと思います。
>あるいは下請業者の保管場所を元請業者の名義で借用するなどは可能でしょうか。
廃棄物処理法第21条の3に則り、適正な手続きを進めていくのであれば、それも可能と考えます。