青森・岩手県境不法投棄事件に関する納付命令(再委託)

青森・岩手県境不法投棄事件に関し、勝手に再委託をした収集運搬業者に納付命令が発出されました。

デーリー東北新聞社 宇都宮の業者に178万円納付命令/県境産廃

 田子町と二戸市にまたがる県境の産業廃棄物不法投棄問題で、岩手県は19日、廃棄物処理法に違反したとして、一般・産廃収集運搬業宇都宮興産(宇都宮市)に対し、撤去費用の一部約178万円の納付命令を出した、と発表した。命令は17日付。
 同法などは、排出事業者から産廃の運搬委託を受けた業者が、運搬業務を他の業者に再委託する際は、あらかじめ排出事業者から書面で承諾を受けるよう定めている。
 県によると、宇都宮興産はこれに違反し、2000年5月9日から6月8日までの間、排出事業者8社から受託した汚泥や燃え殻約42トンの運搬を、事前に書面で承諾を受けないまま、東奥環境(八戸市)に再委託した。

12年前の行為に関してでも行政から命令が発出されるという好例です。

行政処分は刑事処分や取引・権利の安定性とはまったく無関係ですので、時効がありません。

今回の処分では、再委託承諾書を取っていなかったようですが、
再委託承諾書を取っていたとしても、5年間の保存期間満了に伴い、それを廃棄していたら、自社の正当性を立証する証拠が存在しないということになります。

講演や研修でよくお話しするのですが、
「できれば、委託契約書やマニフェストなどは、保存期間満了後もずっと保存しておいた方が良いですよ」というのは、このためです。

今回は、撤去ではなく、撤去費用の納付命令ですので、178万円というかなり高額なペナルティとなりました。
約43tの汚泥や燃え殻に関する経費ですので、1tあたり約4万1千円の撤去費用となります。

経費を削減したつもりでも、委託基準違反をして、さらに不法投棄に巻き込まれてしまうと、削減できた経費の何倍ものペナルティを背負うことになります。

廃棄物処理費を削減するときは、見積もり合わせをするだけではなく、委託基準を順守し、委託先の信頼性もキチンと確認する必要があります。

そうして初めて、安全に経費節減をすることが可能となります。

くれぐれも、机の上で見積もりを数枚並べただけで満足しないようにお願いします。

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