委託者の無知に乗じた犯罪

2013.6.25 21:15 産経ニュース 家電を無許可で回収→不法投棄 男2人逮捕 埼玉

容疑者の氏名・住所などを改編・削除の上転載。

 使用済み家電を無許可で回収し不法投棄したとして、埼玉県警生活環境2課と川越署は25日、廃棄物処理法違反容疑で東京都北区、廃品回収業、S容疑者(43)と板橋区、廃品回収従業員、T容疑者(59)を逮捕した。同課によると、2人は容疑を一部否認している。

 逮捕容疑は、今年2月28日~3月13日、無許可で東京都杉並区の民家など3世帯から、冷蔵庫などの電化製品数点を44万3千円の処分料金で回収したとしている。両容疑者は通常の6~8倍の値段で廃品を回収していたという。

無許可営業と不法投棄の2つの容疑に基づき逮捕をしたようですが、どこで不法投棄したのかがよくわかりません。

埼玉県警が検挙しているため、東京都杉並区で回収した家電を、埼玉県川越市内で不法投棄したということになりましょうか。

約44万円で処理を請け負い、大部分を不法投棄したのであれば、44万円の全額がほぼ利益となります。

非常に悪質な犯罪ですが、いつまでたってもなくならない犯罪とも言えます。

こういった古典的な廃棄物処理法違反が無くならないのは、
「通常の6~8倍の値段で」処理委託をしてしまう、犯罪者にとってはありがたい顧客の存在があるためです。

家電リサイクル対象製品の場合、自宅まで引き取りに来てくれる正規業者がありますので、本来なら、わざわざ高額な処理費用を負担してモグリ業者に委託をする必要はないのです。

しかし、それでもモグリ業者に委託をする人が後を絶たない理由を考える必要があります。

「情報化社会」とか、「インターネットであらゆる情報を入手可能」になったと言われて久しい現代ですが、
日常の生活レベルにおいては、どこかにはあるが入手の仕方を知らないとアクセスできない情報よりも、目の前に提示された“解決策”に飛びついてしまう人が多いという事実を直視しなければなりません。

眼前にぶら下げられた解決策は、道徳や法律の規制よりも魅力的に見えることが多々あります。

許可に基づいたサービスを提供する事業者の方は、同業他社のみならず、モグリ業者の心に響く(?)アプローチにも負けない方法を取る必要がある、ということですね。

もっとも、一般廃棄物であっても無許可業者に処理委託をすることは違法となりますので、
今回の事件のように不法投棄までされた場合は、家電の委託者に廃棄物の撤去などが求められる可能性があります。

場合によっては、無許可業者に委託をしたという容疑で、書類送検などが行われる可能性もあります。

生活系廃棄物だからといって、委託先の素性を調べずに委託をしても良いということにはならないので、正規許可業者の皆さんは、これらの情報をモグリ業者に打ち勝つための営業材料としてご活用ください(笑)。

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