福岡県、行政代執行の方針を決定

毎日新聞 2013年11月06日 飯塚の産廃処分場:廃棄物撤去問題 県が処理方針 雨水、地下水から 鉛の除去は来年度以降 /福岡

 行政代執行による処分を決めた飯塚市の産廃処分場を巡り、県は5日、専門家による委員会を開き、今後の処分方針を決めた。今年度は雨水、地下水に対する措置を実施し、処分場で検出された鉛の除去は来年度以降になる見通しとなった。今年度分の工費は県議会12月定例会に補正予算案を提案する。

 委員会では土壌汚染や廃棄物工学の専門家が処理手順や工法を検討。その結果、今年度は新たな汚水を防ぐための雨水排水措置と、鉛除去の前処理となる処分場地下の滞流水処理に着手することとした。雨水は処分場外周に側溝を巡らせ、沈砂池を経た上で東側を流れる大野川に放流。地下滞留水は処分場内に井戸3〜5本を掘削して水をくみ上げ、処分場外で処理する。

 また、処分場周辺の井戸では毎月、安定型処分場の浸透水基準に準じた基準で水質検査を実施することも決めた。

 一方、鉛が検出された廃棄物層は、地層自体を撤去するか、鉛の溶出を防ぐ処理をするかが検討されているが、どちらを選ぶかは未定。来年度以降、改めて専門家に意見を聴き、方針を決めるという。

福岡県内の大学には、国内の廃棄物工学をリードする学者の方が多数おられるため、こういった有事の際の諮問先には事欠きませんね。

ただし、今回の方針が社会的に最善かどうかは、後世の基準で評価するしかありません。
その理由は、安全性の基準を著しく高く設定するため、支障除去費が高額になることが多々あるからです。

もちろん、学者さんが率先してゼロベースから改善策を提案しているわけではなく、行政などの事務局が用意した素案を元に安全性を検証しますので、コストが高額になるのは学者さんの責任ではありません。

また、安全面及び技術面で妥協をしない議論をすることは絶対に不可欠です。

しかしながら・・・

今回福岡県が採用することになる支障除去方法は、コストが非常に高額なものになるのは確実ですので、別の方法を取る余地は無かったのかと少し残念に思いました。

もっとも、福岡県にしてみれば、住民から訴訟を提起されたこともあり、悠長に方策を検討している余裕が無いのだろうと思われます。

問題が小さいうちに対処することこそが、一番のコスト削減方法であり、最も安全な対策と言えます。

わかっていてもなかなかできないのが現実ですが。

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