和歌山市水道局がPCB廃棄物を誤廃棄

行政によるPCB誤廃棄のニュースもありふれたものになってしまいましたが、
今回は処分方法の詳細が明らかにされている点が珍しいニュースとなっています。

2014年8月21日付朝日新聞 和歌山市がPCB含む蓄電器を誤廃棄

 有害物質の「ポリ塩化ビフェニール」(PCB)を含む蓄電器2台を誤って溶解処分したとして、和歌山市は20日、水道局企画建設課の技術主査(42)と上水道管理事務所の班長(49)と所長(57)をそれぞれ戒告の懲戒処分にした。監督責任を問い、企画建設課長(57)も訓告処分にした。

 市水道局によると、技術主査は2012年3月、解体を予定している福島浄水場(同市福島)で、処分する蓄電器のリストを作成。この際、PCB計約190グラムを含む蓄電器2台(高さ約65~70センチ)に関して、誤って「含んでいない」と記載したという。PCBを含む蓄電器は本来、専用の容器で保管すべきだった。

 この蓄電器は13年10月31日~11月12日の間に金属くずとして運び出され、他の廃棄物と一緒に溶解処分された。今年6月、PCB廃棄物に関する届出書を作成する際に発覚したという。

 水道局企画建設課は「蓄電器は1千度以上の高温で溶解しており、市民の健康や環境への影響はない。再発防止に努めたい」としている。

PCB廃棄物保管の基本は、
1.明らかに他の廃棄物と違った場所で
2.持ち出し禁止の明示をし
3.油の流出を防ぐために専用の保管容器で保管
が最低限必要となりますが、

和歌山市水道局の保管状況は、3点の基本が守られていない状況だったようです。

最後の、「蓄電器は1千度以上の高温で溶解しており、市民の健康や環境への影響はない。」というコメントから、
よくありがちなスクラップ業者経由の紛失ではなく、
電炉による製鉄原料化が行われたことがうかがえます。

技術的には1千度以上の高温であればPCBの無害化は可能ですので、本当に電炉に持ち込まれたのであれば、生活環境への支障は無いものと思われます。

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