敦賀市が津山圏域東部衛生施設組合に対して提訴を決定

当ブログ 
2014年9月4日付記事 「行政対行政の裁判沙汰に(福井県敦賀市キンキクリーンセンター事案)
2014年9月8日付記事 「市町村に排出事業者責任を問えるか否か」の続報で、

いよいよ敦賀市が岡山県の一部事務組合に対し、一般廃棄物の不正搬入に伴う撤去費用の支払いを求める訴訟を起こすそうです。

2014年10月22日付 読売新聞 ごみ違法搬入きょう提訴

◇敦賀市、岡山の組合相手取り

 敦賀市樫曲の民間廃棄物最終処分場に大量のごみが違法搬入された問題で、市は21日、対策工事費の負担請求に応じていない岡山県の津山圏域東部衛生施設組合(管理者=花房昭夫・奈義町長)に、約1億9200万円の支払いを求める訴訟を22日に地裁敦賀支部に起こすと発表した。

 市によると、処分場には許可量の約13倍にあたる約119万立方メートルのごみが持ち込まれ、遮水壁を設けるなどの対策工事を施した。工事費の8割を県、2割の約19億円を市が負担。市は負担額の3分の2の約13億円について、廃棄物の搬出元の自治体など60団体に支払いを求めており、同組合への請求額はごみの搬入量(約3万2000立方メートル)に応じて算出した。

 現在もほぼ半数の31団体が工事費の支払いに応じていないものの、同組合は金額が最大で、来年度に解散予定のため提訴を決めた。市は「一般廃棄物は搬出元自治体が責任を持つべきだ」と主張している。

 同組合は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。

記事では、「違法搬入」と表現されていますが、現段階で違法と断定してしまうのは早すぎます。

裁判では、津山圏域東部衛生施設組合がキンキクリーンセンターに一般廃棄物処理委託を行った時の手続きに、瑕疵や過失が無かったかどうかが争点となるのは間違いありませんが、現段階では、津山圏域東部衛生施設組合の委託手続きに違法性があったとは断定できないためです。

民事訴訟ではありますが、市町村の一般廃棄物処理委託基準が裁判の争点となる初めてのケースかもしれません。

もし、津山圏域東部衛生施設組合の委託方法に過失があったと認定されるようなことがあれば、一般廃棄物や産業廃棄物の委託手続きの際に考慮しなければならない要素が増えることになります。

このように、裁判の結果次第では、実務面に大きな影響がでる可能性がある事件ですので、今後も注視したいと思います。

前株と後株では大違い

当ブログ 2014年10月16日付記事 「岩手県庁御難続き、今度は家畜処分場が破産申請」 で東北油化という家畜処分場が破産申請をしたというニュースをお知らせしましたが、

その東北油化(株式会社)と同じ岩手県内(本店所在地は盛岡市)に、廃油の処理を行っている「株式会社東北油化」という処理企業があり、「倒産したのか!?」という問い合わせが増えて困っているという報道がありました。

2014年10月22日付岩手日報 同じ「東北油化」、勘違いされ困惑 盛岡の産廃会社

 家畜の処理を行っていた奥州市江刺区稲瀬の東北油化(武内健太社長)の破産手続き開始が決定した問題で、同社と無関係だが社名が同じ盛岡市黒川の鉱物系産業廃棄物処理会社「東北油化」(佐々木信雄社長)が「混同されて困っている」と訴えている。

 盛岡市の東北油化の正式名称は「株式会社東北油化」。1973年の会社設立で、油流出の事故処理、鉱物系廃油の回収・再生・販売、貯油槽・貯水槽の清掃整備保安点検などを行っている。

 奥州市の「東北油化株式会社」の破産申請が報じられた12日以降、混同した取引先から「もう廃油回収を頼めないのか」といった問い合わせの電話が30件近く寄せられたり、社員が出先で聞かれたりしている。

 杉山秀史(ひでふみ)取締役総務部長は「問い合わせてもらえば、違う会社だと分かってもらえる。問い合わせないで、あそこは倒産したからもう仕事を頼めないと勘違いされるのが困る」と、通常通り営業していることを強調する。

破産申請をしたのは家畜処分をしていた「東北油化株式会社(あと株)」で、
廃油の処理をしている「株式会社東北油化(まえ株)」とは全く別の法人となります。

筆者とはまったく接点のない企業ですが、勝手に(応援)補足させていただきました。(^^)

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