「ごみ無し地蔵」再び

当ブログでも何度か取り上げている長野県の「ごみ無し地蔵」が、また新たに長野県青木村に設置されたとのことです。

2014年10月19日付 東信ジャーナル 「ごみ無し地蔵を設置」

 青木村田沢の修那羅峠(県道丸子信州新線)沿いに14日、廃棄物の不法投棄禁止を呼びかける「ごみ無し地蔵」が設置された。
 設置は上小地方事務所と上小管内4市町村が構成する「上小地域廃棄物不法投棄対策協議会」の取り組み。平成15年に長和町で設置したところ不法投棄防止効果が高かったため、管内全域に推進するようになった。
上小管内で15体目、同村では2体目となる。

初めて設置したのは11年前とのことですので、不法投棄の抑止効果が長期に渡ることが実証されています。

簡単な清掃作業等を除けば、地蔵の設置に伴うランニングコストはほぼ0円ですので、監視カメラ以上のコストパフォーマンスと言えましょう。

東信ジャーナルの画像を見ると、地蔵が設置された場所はいかにも廃棄物が捨てられそうな場所です。

しかし、地蔵があることによって、地蔵の意味を知っている人間にはごみを捨てることを躊躇させる効果が期待できます。

「たかが地蔵」と侮ることなかれ。

こうした宗教的なモニュメントは、人の無意識に働きかける象徴としての効能を持っています。

もちろん、その効能も、地蔵の持つ文化的な意味を解さない人間には意味を成しませんが、
「都心から不良外国人が夜な夜な長野県の山中にごみを捨てに行く」というのは現実的にはなかなか起こらないことですので、日本人の心性に訴えかければ十分です。

さて、ではなぜ地蔵で不法投棄が抑止できるのか?

私が思うに、
地蔵を見ることで仏罰の可能性を考えるというよりも、
「地域に住む人がこの場所を大切な場所として考えている」ことを、行為者にイメージさせる効果があるからではないかと思っています。

道路沿いの空き地が金網フェンスで仕切られているときは、空き缶や吸い殻が大量に捨てられがちですが、
金網フェンスを取っ払って空き地を花壇などにした後はごみのポイ捨てが激減するのも、同じ理由からではないかと考えています。

心理学専攻の肩書を活かしてもっともらしく分析してみました(笑)。

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