自浄作用

2021年12月13日付 NHK 「警察官を書類送検 河川敷にタイル約300キロ不法投棄の疑い

大阪の富田林警察署に勤務する40代の警部補が、自宅の改修作業で出たおよそ300キロの廃材のタイルを河川敷に捨てたとして、廃棄物処理法違反の疑いで書類送検されました。

警察によりますと、警部補はことし10月、富田林市西板持町の河川敷におよそ300キロの廃材のタイルを捨てたとして廃棄物処理法違反の疑いが持たれています。
不法投棄を見た人が警察に通報し、目撃された車のナンバーから捜査したところ、警部補が自分の車で運んで捨てたとみられることがわかったということです。
タイルは自宅の改修作業でベランダに張っていたものをはがした廃材だったということです。

警官である以上、事件捜査の手順や精度を熟知していたはずですが、なぜ大胆にも河川敷に大量の廃棄物を捨てたのでしょうか?

自宅から300キログラムの廃材を独力で車に積み込む労苦を考えると、「さすがは現役警察官」と賞賛したくなりますが、その忍耐強さをもっと他の方面で活かしていただきたかったものです。

しかし、ベランダにタイルを張る家は多いのでしょうか?

外から見えない部分ですので、かなりの贅沢仕様に思います。

警察は13日、書類送検するとともに、内部処分にあたる「所属長訓戒」にしました。
調べに対し、「処分してくれる業者を探したが見つからず、河川敷に捨ててしまった」と話しているということです。
大阪府警察本部は「警察官としてあるまじき行為で厳正に処分しました。今後、職員に対する指導を徹底し、再発防止に努めます」としています。

たしかに「警察官としてあるまじき行為」です。

警察内部の処分の早さも見事です。

現段階では「訓戒」だけですが、ほぼ確実に不法投棄事件として立件されるものと思われますので、その段階で「懲戒免職」されるのでありましょう。

もっとも、通常は免職されるのを待つことなく、「自主退職」を選択することが常ではありますが。

さて、とてもおバカな顛末の中から、無理矢理希望を見つけるとするならば、
「処分してくれる業者を探したが見つから(なかった)」という部分に触れておきたいと思います。

個人が自分自身で工作物の除去を行った場合、そこで発生した廃棄物は産業廃棄物ではなく、一般廃棄物になります。

本当にこの警部補が処理業者を探していたのかどうかはわかりませんが、それが事実であるならば、処理委託に応じなかった廃棄物処理業者の姿勢はあっぱれです。

警部補が打診をした相手が産業廃棄物処理業者だったならば、産業廃棄物処理業者として一般廃棄物を引き受けるわけにはいきませんので、受託を断ったことは法的に正しい対応です。

また、警部補の折衝相手が一般廃棄物処理業者だった場合、一般廃棄物として引き受けることは可能と言えば可能ですが、多くの自治体においては、産業廃棄物のがれき類やガラス陶磁器くずと区別ができないため、建設廃棄物の持ち込みを禁止していることがほとんどです。

そのため、一般廃棄物処理業者として、許可自治体の受入れ方針を説明し、受入れ不可な物であると説明したのであれば、これまた正しい対応となります。

「では、どうやってタイルくずを処理すれば良かったのか?」という疑問が残ることとなります(苦笑)。

その方法は幾通りかありますが、ブログ上でそれを書くと文字だけが一人歩きする可能性が高いためあえて書きませんが、まずやるべきことは、「最寄りの市町村への真摯な相談」です。

そこで指導された方針に従い処理を進めていくことが、もっともリスクが低くなると思います。

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