ポリ袋販売事業者への措置命令

明けましておめでとうございます。本年もご愛読のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

新年でリセットされた気分になっておりますので、今年は昨年以上の頻度で更新をしていきたいと思っております。

2023年の最初の記事は、昨年末に消費者庁より発出された措置命令についてです。

そのため、措置命令とは言え、廃棄物処理法に基づくものではなく、景品表示法に基づく措置命令となります。

2022年12月23日付 消費者庁 「ゴミ袋及びレジ袋の販売事業者2社に対する景品表示法に基づく措置命令について

消費者庁は、令和4年12月20日及び同月21日、ゴミ袋及びレジ袋の販売事業者2社(以下「2社」といいます。)に対し、2社が供給するゴミ袋及びレジ袋に係る表示について、それぞれ、景品表示法に違反する行為(同法第5条第1号(優良誤認)に該当)が認められたことから、同法第7条第1項の規定に基づき、措置命令を行いました。

記者発表資料だけでも140pあり、添付資料を含めると膨大なページ数になる力作です。

「優良誤認」に該当するサイト上の表示を一つずつ指摘しているため、2社への行政処分でしかないにもかかわらず、これだけ膨大なページ数になっています。

当ブログで景品表示法に基づく措置命令を取り上げた理由は、今流行の「生分解性プラスチック」を使った製品に対する行政処分だったためです。

ちなみに、「ゴミ袋及びレジ袋」のみならず、同日付で、「生分解性がある」とうたった「エアガン用BB弾」、「釣り用品」、「カトラリー、ストロー、カップ等」の販売事業者にも、措置命令が発出されています。

「優良誤認」と判断された理由を要約すると、
・販売サイト上では、「投棄され又は埋め立てられても自然環境中で微生物によって水と二酸化炭素に分解される生分解性等の同表「生分解性」欄記載のとおりの生分解性を有するかのように示す表示をしている又は表示」「使い捨てられてもゴミ廃棄場や自然環境中で約2年で生分解される生分解性を有するかのように示す表示をしている又は表示」をしていたため、
・消費者庁から、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、2社から資料が提出された。
・しかし、当該資料はいずれも、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められないものであった。
というものでした。

「投棄されても」「使い捨てられても」とは、甚だ扇情的な表現ですが、扇情的である分、それに盲目的に飛びついてしまう人が確実に増えることは間違いありません。

今回の消費者庁による措置命令は、今後益々増加してくるものと思われる「グリーンウォッシュ」を規制した最初の事例となりそうです。

これまたちなみに、当ブログでは2019年10月7日付記事「どうなる?プラスチック規制」で、
イギリス議会では、2019年の時点で既に「生分解性プラスチック」の有効性が疑問視されていたことを取り上げております。

「代替は解決にならない。」が、事実として共有される時代に早くなって欲しいものですが、プラスチック資源循環促進法は、むしろ「代替こそが唯一の解決策!」とばかりに、現実とは真逆の方向に舵を切った感があります。

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