10月は道路検問月間(ただし1日だけの開催)でした

6月と10月は、全国の産業廃棄物規制部局が警察とタッグを組んで道路検問を実施したくなる時期ですので、覚えておいてください。

ただし、その月間中の1日、そして数時間しか行わない取組みですので、いつ実施されるかを予測することは困難ですが、一部の自治体、あるいはエリアにおいては、事前に「路上調査の予定」を公表している場合がありますので、事前の対策が可能な地域もあることはあります。

事前対策といっても、特別な準備や念入りな行動が必要なわけではなく、産業廃棄物運搬車両の携行書類と表示をキチンと行うことが唯一無二の対策であり、それは平常時から遵守が必要な対応です。

「収集運搬基準」を遵守済みの産業廃棄物収集運搬業者にとっては、改めて準備が必要な内容はまったくありません。

しかしながら、許可業者でありながらも、「収集運搬基準」を理解していない企業が意外と多く、それらの企業は、専業の産業廃棄物処理業者ではなく、建設業や運送業等との兼業産業廃棄物処理業者であることがほとんどです。

「収集運搬基準」については後述いたしますが、道路検問(路上調査)によって、それまで意識していなかった「収集運搬基準違反」を指摘される実例としては、次のようなものがあります。

2024年10月18日付 千葉県 「産業廃棄物収集運搬車両の一斉路上調査結果(令和6年10月)

5 調査結果

項目

検査台数

主な指導内容

車両総数

36

うち不適正車両

3

(1)産業廃棄物車両

10

うち不適正車両

3

産業廃棄物収集運搬業許可証(写し)の不携帯

収集運搬車両側面表示不備

(2)一般廃棄物車両

2

うち不適正車両

0

(3)残土車両

1

(4)その他

23

「産業廃棄物収集運搬業許可証(写し)の不携帯」と「収集運搬車両側面表示不備」の2点の違反が見つかったとのことです。

「産業廃棄物管理票(写し)の不携帯」が見つかっていれば「スリーカード」でしたが、今回の路上調査では、残念ながら(?)「ワンペア」でした。

ただし、調査した36台中3台で違反が見つかったわけですから、「路上調査を実施すれば、非常に高い確率で収集運搬基準違反が見つかる」、別の言い方をすると、「それだけ多くの産業廃棄物処理業者が、収集運搬基準違反のまま漫然と業務を行っている」ことになります。

「産業廃棄物収集運搬業許可証(写し)の不携帯」が多い理由とそれへの対策については、
当ブログ 2024年6月13日付記事 「産業廃棄物収集運搬車両に携行すべき書類を即答できますか?」で考察しておりますので、そちらを是非ご参照ください。

今回は、「産業廃棄物収集運搬基準」全般をお示ししておきます。

    • 産業廃棄物の収集運搬中に、産業廃棄物を飛散流出させないこと
    • 収集運搬に伴う悪臭、騒音または振動によつて生活環境の保全上支障が生じないように必要な措置を講ずること
    • 産業廃棄物の収集運搬のための施設を設置する場合には、生活環境の保全上支障を生ずるおそれのないように必要な措置を講ずること
    • 運搬車、運搬容器及び運搬用パイプラインは、産業廃棄物が飛散流出し、または悪臭が漏れるおそれのないものであること
    • 車両の側面に産業廃棄物収集運搬車両であること、事業者の氏名または名称を定められた方法で表示すること
    • 運搬車に「産業廃棄物管理票(マニフェスト)」と「許可証の写し」を備え付けておくこと
    • 「石綿含有産業廃棄物」または「水銀使用製品産業廃棄物」を収集運搬する場合には、破砕することのないような方法により、その他の物と混合するおそれのないように区別して行うこと

※積替え保管に関する基準は省略

「産業廃棄物を飛散流出させないこと」は常識でわかることですので、収集運搬という日常業務においては、

  • 運搬車に「産業廃棄物管理票(マニフェスト)」と「許可証の写し」を備え付けておくこと
  • 車両の側面に産業廃棄物収集運搬車両であること、事業者の氏名または名称を定められた方法で表示すること

の2つの基準を遵守しておけば、不意の道路検問に慌てる必要は無くなります。

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