宇宙から産廃不法投棄を監視…環境省が全国展開へ

産業廃棄物の不法投棄を宇宙から監視できる時代になったようです。

YOMIURI ONLINE から表題の記事を抜粋します。

(抜粋開始)

産業廃棄物の不法投棄を減らすため、環境省は、観測衛星を使った宇宙からの監視を始める。

試用した岩手県が、違反業者の摘発につなげたのを受け、全国展開を図ることにした。2009年度は、希望する都道府県とともに運用する方針だ。

06年に打ち上げられた世界最大級の地球観測衛星「だいち」(宇宙航空研究開発機構所有)の画像データを活用する。だいちは2・5メートルの大きさまで判別できる解像度があり、利用料金は、詳細画像の撮影が1回20万円で、米国の商用衛星の10分の1~8分の1と安い。

岩手県は、岩手大が開発したカラー画像合成システムを用い、08年1月から監視目的の試験運用を続けている。画像で土地の変化や廃棄物の堆積)状況などをつかみ、陸上からは難しい山間部の要注意地点などの監視に効果を発揮。これまでに業者が無許可で処理場を拡充したケースなどを発見し、行政指導した。

(抜粋終わり)

最初この記事のタイトルを読んだ時は、「SFか」と思いました。

確かに、人の目で見つけにくい「山間部での処分場の造成」などは発見しやすくなるでしょうが、YOMIURI ONLINE の見出しのように、「不法投棄」を監視することは技術的に不可能と言わざるを得ません。

「山間部での処分場の造成」の場合は、大規模な廃棄物の不適正処理ですので、宇宙から衛星で監視することも可能でしょうが、現在の技術では、10tダンプ1台でのゲリラ不法投棄などを衛星で補足することは不可能だからです。

まぁ SF映画の世界でならあり得る話かもしれませんが、それこそ「わらの山から一本の針を探し出す」ような困難があります。

それに、山間部での処分場の造成と言えど、衛星でしか監視できないわけではなく、そこに出入りする人間(行為者)がいる以上、行政や警察の関係者がなんらかの形で監視することもできるはずです。

人間の労力を省くことで、監視活動を効率的に行えるようにする、ひいては税金の無駄な支出を減らすという意味では、十分に有効利用すれば良いと思いますが、衛星という機械に頼りきり、実際に行為者を指導するという、「対人調整力」を低下させないでいただきたいものです。

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