電子マニフェストの虚偽報告で事業の全部停止処分30日間(京都市)

7月18日付 京都市発表 産業廃棄物処理業者に対する行政処分について

4 行政処分の理由

  収集運搬及び処分(中間処理)の委託を受け平成25年2月15日に引き渡された汚泥(産業廃棄物)について,処分を行っていないにもかかわらず,同月18日に処分が終了した旨を電子管理票を用いて報告したため(違反条項:法第12条の5第2項(電子管理票虚偽報告))

2月に行った虚偽報告に対し、京都市が7月になるまで行政処分をしなかった理由がよくわかりません。

また、理由に挙げられている違反は1件のみですが、たった1件の違反だけで事業の全部停止処分をする必要があったのかも少し疑問です。

もちろん、法制度上はたった1件の違反でも、事業の全部停止処分や許可取消をすることは可能です。

しかしながら、行政処分を行う際には公平に行わなければなりませんので、
たった1件の違反で事業の全部停止処分を行うのであれば、同様の違反を見つけた場合は、京都市は等しく行政処分を行う必要があります。

もっとも、報道発表内容には書かれていない、あるいは詳細を書けない違反の事実がたくさんあり、電子マニフェストの虚偽報告は数ある違反の中の氷山の一角でしかないのかもしれません。

いえ、おそらくそうなのだろうと思います。

一般的には、たった1件の違反で即、事業の全部停止処分を下すことはほとんどないからです。

とはいえ、1件の明確な違反がある場合、その背後にはもっと多くの法律違反があることがほとんどです。

一度間違った内容で実務を覚えてしまうと、そのやり方をずっと踏襲し続け、日々違法行為の事実と証拠を生産し続けることになります。
(単なる勘違いで済めば良いですが、多くの間違いは違法行為に直結します。)

廃棄物処理企業の方は、今回のケースを貴重な教訓として、社内体制を再チェックする機会とすると良いですね。

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