無許可変更で90日間の事業停止処分(岩手県)
無断でプラスチックの圧縮梱包機を設置したという理由で、岩手県が90日間の事業停止処分を下しました。
2014年4月18日 毎日新聞 産廃業者に90日間の事業停止処分 /岩手
発泡スチロールの処理許可しかないのに、2009年ごろから計5トンのビニールを圧縮・梱包(こんぽう)し、他社に売却した。昨年4月の保健所の立ち入り検査で発覚した。
元々廃プラスチック類の中間処理許可を所持していた業者が、廃プラスチック類を処理する機械を増設する場合、
産業廃棄物処理施設の変更が生じる場合は、産業廃棄物処理施設の変更許可
産業廃棄物処理施設に該当しない圧縮梱包機を置く場合は、産業廃棄物処理業の変更届
となるのが通常の手続きとなります。
しかしながら、岩手県の発表内容を見ると
【行政処分情報詳細】株式会社キタキョウ
処分の理由
株式会社キタキョウは、平成21年頃から、産業廃棄物処分業の範囲に含まれていない廃プラスチック類(廃ビニール)を収集し、圧縮・梱包処理を行った。これらの行為は法第14条の2第1項違反(無許可事業範囲変更)に該当する。
とあります。
なぜ、今回のケースが無許可変更になったのか?
それは、被処分者の許可内容が
「熱溶融(廃発泡スチロールに限る)」というものであったためです。
このような許可内容の場合、廃発泡スチロールの熱溶融のみが許可された処理行為であり、
産業廃棄物の種類としては同じ廃プラスチック類(ビニール袋)であっても、それを圧縮梱包してしまうと、
ビニール袋を処理する行為については無許可となります。
そのため、許可内容を勝手に変更したため、無許可変更となり、90日間の事業停止処分という非常に重い処分が下されました。
もっとも、無許可変更は直罰の対象にもなり得る行為ですので、行政処分に止めてもらって御の字と考えた方が良いかもしれません。
このような違反は、私が実際に見る、あるいは聞く限りにおいても、非常に多くの処理業者が安易に起こしているものですので、
機械を新たに設置する場合は、計画の段階で管轄自治体に相談することが必要です。
以下余談
岩手県のサイトでは、ソーシャルネットワーク等を活用した情報拡散ができる仕組みが取り入れられています。
自治体の公開情報を誰でも一瞬で拡散できる時代になり、
自治体もそれを積極的に後押しするということは、
不祥事を自治体に公開されてしまうと、一瞬でそれが幅広く社会に行き渡ってしまうということでもあります。
我々事業者としては、これが現実であることを認識し、今まで以上に不祥事を起こさない体制づくりに励む必要がありそうです。
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2014年4月21日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
カテゴリー:行政処分