不法投棄は増えているのか、それとも減っているのか

先日、在阪TV局から「不法投棄の現状」についてインタビューを受けました。

インタビューのテーマとしては、一般廃棄物や廃家電に関する質問が中心でしたが、
一般廃棄物の場合は不法投棄に関する統計などがないため、産業廃棄物の不法投棄状況の解説などもしました。
(廃家電の不法投棄に関する統計はあります)

その中で、
「不法投棄全体の傾向としては、10年前と比べると、量と件数ともに減少している。」
「その理由は、業許可を受けた正規の許可業者が増え、業者間で競争が進んだ結果、処理料金が安くなったということが大きいと思う。」
「今後、経済情勢の変化によっては、一時的に不法投棄が頻発したとしても、廃棄物の発生量自体が減少していくため、不法投棄量もやはり減少していくだろうと思う。」
と答えました。

しかし、そのインタビュー内容をあざ笑うかのように、その後不法投棄事件が各地で頻発しています。

2013年7月4日12時11分 読売新聞 「分別面倒だった」夫婦、ごみ44袋不法投棄
2013.7.1 11:41 産経新聞 血の付いた脱脂綿や針、不法投棄 中国から帰化の「達人」鍼灸師逮捕
2013年07月05日(金) 00時18分 兵庫・西宮市 住宅街に不法投棄54トン 業者逮捕

3件中2件は産業廃棄物の不法投棄のようです。

このように、不法投棄事件が連続して発生することもありますが、
それでも、高さ10mを越す小山のような大規模不法投棄事件は滅多に聞かなくなりました。

人間の中には、一定割合で不法投棄をしても良心がまったく痛まない人が存在しますので、
これからも不法投棄を根絶することは無理だと思います。

しかし、生活環境に支障を生じさせるほどの悪質な不法投棄事件は、行政・警察の監視や、正規業者の増加によって、年々減少していくだろうと思います。

現状の心配点としては、処理業者間の価格競争がこれ以上進みすぎてしまうと、
処理業者による不法投棄や、処理業者が廃棄物を未処理のまま倒産するというケースが増えるかもしれないことです。

不法投棄はともかくとして、廃棄物が減少していくことが予想される状況下では、倒産や廃業が確実に増えていきそうです。

一事期と比べると、私の所に来る企業売却や廃業の相談が若干増えてきましたので、市場淘汰が水面下で進みつつあるのだろうと思います。

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