よく見る誤植に潜む問題

新潟県の地方紙のWEB版で見つけた誤植。

「産廃物首里法」とは、「沖縄の首里城だけに適用される特別法か!?」と、一瞬かなり動揺しました(笑)。


※2016年12月に撮影した焼失前の首里城正殿

なんのことはない、「廃棄物処理法」の誤植です。

記事本文は、新潟県の記者発表内容を忠実にトレースしたためか、正確に「廃棄物処理法」と書かれていますので、見出しを付けた人の凡ミスと思われます。

新聞業界の詳しい実態は存じませんが、仄聞するところによると、
記事を書く記者よりも、見出しを付ける編集担当の方が、新聞社内でのポジションは上になるようです。

新聞社にとっては大事な商売道具である「見出し」を、かくもテキトーに付けてしまえる状況は非常に危険な傾向と言えます。

しかしながら、この傾向は、地方紙のみならず、「大手四大紙」と言われるメジャーメディアにもあてはまります。

さすがに「首里法」という誤用は初めて見ましたが、よくある誤用は「産廃処理法」です。

当ブログ読者の皆様には自明のことですが、
「廃棄物処理法」の正式名称は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」ですので、
「廃掃法」と略されることもありますが、
「産業廃棄物」を示す「産廃」の「産」の字は一切含まれていません。

PCで「さんぱい」と入力しても、用語登録をしていない限り、一般的には「参拝」とか「三敗」と変換されることが多いと思いますが、誤植を入力した編集担当は、あえて「産廃」と用語登録していたのでしょうか?(笑)

「はいきぶつ」って「さんぱい」のことでしょ?
という、間違った理解、というよりは偏見が、誤用者の頭にあったように思えてなりません。

そう考えないことには、「はいきぶつ」をわざわざ「さんぱい」と入力した理由がわかりません。

これまでの一般的な「インテリ」イメージの象徴である「新聞社の編集担当」が、
正確な日本語ではなく、自分自身の持つ偏見や思い込みで安易に見出しを付け、
さらに、新聞社内の校閲の過程においても、誰もその間違いに気づかない
という、マスメディアとしての自己の存在意義を自ら否定するかのような末期的状況です。

もっとも、20世紀のメディアが必ず正確な日本語を使用していたかと言うと、甚だ疑問の余地がありますが・・・

ということは、昔からメディアが流す情報はテキトー、あるいは恣意的だったのか・・・

やはり、メディアの情報を鵜呑みにするのではなく、まずは自分の頭で情報を精査することが重要ですね。

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