不法投棄に巻き込まれないためには
昨日の記事で、「平成19年のデータでは、不法投棄が減少している」と書きましたが、現在(平成21年)もその傾向が続くとは考えにくい状況があります。
そう考える根拠として、平成20年下半期以降は、以下の2つの状況変化が露わになってきたからです。
1.資源価格の下落により、廃棄物の有価取引が成立しにくくなっている
2.不況の影響により、倒産してしまったり、不法投棄に手を染める処理業者がじわじわと増え始めている。
中でも、1については、買い取ってもらった「はず」の廃棄物が、国内外の不法投棄現場から発見された! という危機に陥る可能性が現実味を帯びてきております。
排出事業者のみならず、処理業者の場合でも、いつ関係先の不法投棄に巻き込まれるかわかったものではありません。
不況と言われる時代だからこそ、まずは自社をしっかりと守ることが重要となります。
不法投棄に巻き込まれないようにするには、いくつかのポイントがあります。
以下、それぞれの立場ごとに、絶対に押さえておくべきポイントを記します。
(排出事業者)
1.信頼できる処理業者を選ぶ。
2.委託先の処理業者と連絡を密にし、業者の経営環境に異変があれば、すぐに気付けるようにしておく。
3.「委託契約書」を適切に作成し、契約終了後5年間は絶対に保存しておく。
4.「産業廃棄物管理票(マニフェスト)」を適切に発行し、返ってきたものは5年間保存しておく(紙マニフェストの場合)。
5.委託契約に基づいて、廃棄物の処理委託を適切に行う。
(処理業者)
1.中間処理業者の倒産が増えつつあるので、日頃から施設の稼働状況に異変が無いかを、折を見て実際に確認しておく。コンテナや重機、車両が急に見えなくなったという場合は、倒産の一歩手前の可能性が高くなる。
2.廃棄物を大量に保管しすぎている業者には、できるだけ搬入しないようにする。
3.「前売り券」を大量に購入するのは危険。どうしても買わなければならない場合は、必要最小限にとどめることが必要。
自社でできることから始めてみるのが大切ですね。
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2009年1月8日 | コメントは受け付けていません。 | トラックバックURL |
カテゴリー:廃棄物管理の基本