施行令改正(3) 有害使用済機器の処理基準
2017年改正法の詳細を規定する、施行令改正の第3弾です。
※関連記事
・施行令改正(1)グループ企業による産業廃棄物処理の特例
・施行令改正(2)有害使用済機器の定義
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令案要綱 より抜粋
第二 有害使用済機器の保管等
一 法第十七条の二第一項の政令で定める機器を定めること。(第十六条の二関係)二 法第十七条の二第二項の規定による有害使用済機器(同条第一項に規定する有害使用済機器をいう。)の保管及び処分(再生を含む。)の基準を定めること。(第十六条の三関係)
三 法第十七条の二第一項の規定による届出を行った者は、当該届出に係る有害使用済機器の保管、処分又は再生の事業の全部又は一部を廃止したときは、環境省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならないものとすること。(第十六条の四関係)
今回は、「雑品スクラップの処理基準」についてです。
廃棄物処理法施行令第十六条の三(有害使用済機器の保管、処分等の基準)
法第十七条の二第二項の規定による有害使用済機器(同条第一項に規定する有害使用済機器をいう。以下この条及び次条において同じ。)の保管及び処分(再生を含む。)の基準は、次のとおりとする。一 有害使用済機器の保管に当たつては、次によること。
- イ 保管は、次に掲げる要件を満たす場所で行うこと。
- (1)保管の場所の周囲に囲いが設けられていること。
- (2)環境省令で定めるところにより、外部から見やすい箇所に有害使用済機器の保管の場所である旨その他有害使用済機器の保管に関し必要な事項を表示した掲示板が設けられていること。
- ロ 保管の場所から有害使用済機器又は当該保管に伴つて生じた汚水が飛散し、流出し、及び地下に浸透し、並びに悪臭が発散しないように次に掲げる措置を講ずること。
- (1)保管する有害使用済機器の荷重が直接囲いにかかり、又はかかるおそれがある構造である場合にあつては、当該荷重に対して当該囲いが構造耐力上安全であること。
- (2)屋外において有害使用済機器を容器を用いずに保管する場合にあつては、積み上げられた有害使用済機器の高さが環境省令で定める高さを超えないようにすること。
- (3)有害使用済機器の保管に伴い汚水が生ずるおそれがある場合にあつては、当該汚水による公共の水域及び地下水の汚染を防止するため、保管の場所の底面を不浸透性の材料で覆うとともに、油分離装置及びこれに接続している排水溝その他の設備を設けること。
- (4)その他環境省令で定める措置
- ハ 保管の場所において騒音又は振動が発生する場合にあつては、当該騒音又は振動によつて生活環境の保全上支障が生じないように必要な措置を講ずること。
- ニ 保管の場所における火災の発生又は延焼を防止するため、有害使用済機器がその他の物と混合するおそれのないように他の物と区分して保管することその他の環境省令で定める措置を講ずること。
- ホ 保管の場所には、ねずみが生息し、及び蚊、はえその他の害虫が発生しないようにすること。
二 有害使用済機器の処分(焼却、熱分解、埋立処分及び海洋投入処分を除く。以下この号において同じ。)又は再生に当たつては、次によること。
- イ 処分又は再生の場所から有害使用済機器又は当該処分若しくは再生に伴つて生じた汚水が飛散し、流出し、及び地下に浸透し、並びに悪臭が発散しないように次に掲げる措置を講ずること。
- (1)有害使用済機器の処分又は再生に伴い汚水が生ずるおそれがある場合にあつては、当該汚水による公共の水域及び地下水の汚染を防止するため、処分又は再生の場所の底面を不浸透性の材料で覆うとともに、油分離装置及びこれに接続している排水溝その他の設備を設けること。
- (2)その他環境省令で定める措置
- ロ 処分又は再生に伴う騒音又は振動によつて生活環境の保全上支障が生じないように必要な措置を講ずること。
- ハ 処分又は再生の場所における火災の発生又は延焼を防止するため、有害使用済機器がその他の物と混合するおそれのないように他の物と区分して処分又は再生することその他の環境省令で定める措置を講ずること。
- ニ イからハまでに掲げるもののほか、前条第一号から第四号までに掲げる機器(筆者注:家電リサイクル法対象製品のこと)が有害使用済機器となつたものの再生又は処分を行う場合には、環境大臣が定める方法により行うこと。
三 有害使用済機器は、焼却、熱分解、埋立処分及び海洋投入処分を行つてはならないこと。
「保管基準」「処分基準」「焼却、熱分解、埋立処分、海洋投入処分の禁止」の3点が規定されています。
今回新設された「雑品スクラップの保管」に関する規制を理解する必要があるのは、「雑品スクラップ業者」と「行政職員」だけと思われます。
行政職員の方が特に覚えておかなくてはならないものは、間違いなく「保管基準」です。
「保管場所の掲示」や「保管高さ制限(←詳細は未定)」については、比較的指導しやすい規制ですが、
「不浸透性の材料で底面を覆う」「油水分離槽の設置」「その他の物と混合することのないように分別保管」等は、設備投資に相応のコストが掛かる内容であり、場所によっては物理的スペースの問題で対応できないケースも多そうです。
また、雑品スクラップの収集業者の中には、日本語が不得手な外国籍の人が実際に多いので、これらの規制を指導すること自体が困難な場合も多々ありそうです。
年々忙しくなる一方でありながら、逆に人手が減らされている昨今、行政機関(というよりは、やはり職員)の更なる疲弊が進むこと確実です・・・
« 施行令改正(2) 有害使用済機器の定義 清掃後の廃棄物運搬許可の要否(平成5年3月31日付衛産36号より抜粋) »
タグ
2018年2月1日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
カテゴリー:2018年