平成24年度のパソコン回収実績

6月17日付 一般社団法人パソコン3R推進協会発表 平成24年度の使用済パソコンの回収再資源化実績は842千台

一般社団法人 パソコン3R推進協会の会員企業が、平成24年度に回収した使用済みパソコン (ディスプレイ装置を含む。以下同じ。)は、表1のとおり、前年度比99.0%の842千台と なりました。

このうち、家庭から回収したパソコン(家庭系パソコン)は前年度比102.2%の446千台でしたが、法人から回収したパソコン(事業系パソコン)は前年比95.6%の396千台にとどまりました。

なお、家庭系パソコンは、リサイクルのための回収量が前年度比102.0%の421千台、製品リユースのための回収量が前年度比106.0%の25千台と、共に前年度を上回っています。
一方、事業系パソコンは、製品リユースのための回収量は前年度比104.3%の93千台となりましたが、リサイクルのための回収量が前年度比93.2%の303千台と、この分野が唯一前年度を下回りました。

「リサイクル」と「リユース」を分けて集計するなど、かなり精緻な統計をまとめてくれています。

平成24年度の回収実績としては、
家庭用が対前年度比2.2%増の微増、事業用が対前年度比4.4%の微減であったため、家庭用と事業用の合計では対前年度比1%の微減という結果でした。

パソコンには貴金属やレアメタルが含有されており、他の家電製品と比べると、それらの有用金属を比較的分離しやすい構造となっています。

これらの特質から、小型家電リサイクル制度の中でも、携帯電話と並んで高価値なリサイクル対象と目されています。

さて、平成24年度はパソコンの回収量が前年と比べてほぼ横ばいという結果でしたが、パソコンの販売台数自体は年々減少しています。

パソコンからスマートフォンやタブレット機への代替が想像以上に早く進んでいるためです。

性能的な面から考えると、処理速度などは現状以上に早くなったとしても、もはやそれだけでは消費者はパソコンを買い替える必要を感じなくなっています。

また、今後の日本の人口動態からすると、少子高齢化が年々進んでいくので、パソコンはますます売れなくなるものと思われます。

新品が売れないと、旧製品が回収に回されることもないため、リユース・リサイクルの優等生であるパソコンにおいても、今後は回収量が年々減っていくのではないかと思います。

小型家電リサイクル制度の一番の問題点は、

儲からない ことに尽きますが

この事業を継続するためには、回収量の確保と維持を続けなければいけません。

環境省の構想としては、「回収率の向上(目標20%)や参加自治体の増加によって、十分に魅力ある市場となるはずだ」というものですが、
今後の人口動態予測を無視した楽観的すぎる観測と言わざるを得ません。

現実的に考えると、パソコンのみならず、ほとんどの電気製品がますます買われなくなりますので、リサイクル市場は拡大どころか縮小していくと考えた方が良さそうです。

そこでリサイクル事業者はどういう手を打つべきか?

色々な戦略が考えられますが、早めに市町村と太いパイプを構築することが不可欠と言えます。

今日書いた半分以上の記事は、パソコンリサイクルではなく、より広い意味での小型家電リサイクルに関する記述になってしまいました(笑)。

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