ホタテ残さの不法投棄で青森市漁協関係者が検挙される

6月15日付 毎日.jp 不法投棄:貝殻などの廃棄物を海に 容疑で漁協理事らを検挙−−青森海保 /青森

 養殖ホタテのネットからはがした貝殻や海藻などの廃棄物を海に不法投棄したとして青森海上保安部は14日、青森市漁協の理事(75)ら10人を廃棄物処理法違反で検挙したと発表した。捜査が終了し次第、青森区検に書類送検する予定という。

 海保によると、10人はいずれも青森市在住の男性で、39〜75歳。容疑は、5月17日と22日、青森市の原別漁港で、ほたて養殖のネットを洗浄した際に生じた貝殻などの残さ計約500キロを漁港内の排水溝を通し陸奥湾に不法投棄したとしている。全員が容疑を認めている。

海上保安本部による漁業関係者の検挙が相次いでいます。

漁業に携わる人は、昔からの慣習や周りの人の行動を基準とするのではなく、検挙事例を基準として自らの行為をチェックし直す必要があります。

今回は、養殖ネットに付着していた貝殻のくずなどを排水溝経由で海に流したという事件のようです。

プラスチックや生活系廃棄物を海に不法投棄したわけではありませんが、不法投棄に該当する事実は変えられません。

ちなみに、養殖ネットに付着した貝殻などは、養殖という事業活動に伴って発生した廃棄物ではありますが、
産業廃棄物の具体的な定義にあてはまる品目がないため、産業廃棄物ではなく、事業系一般廃棄物になります。

では、事業系一般廃棄物にあたるということで、市町村の清掃センターなどに持ち込んだとしても、多くの自治体で受入に難色を示されます。

貝殻は焼却で減量化できるわけではなく、そのまま放置すると腐敗臭がひどくなるという厄介者です。

一部の地域では、ホタテの貝殻をリサイクル資材に転用する施設を作っているところもありますが、
貝殻の発生量と比較してリサイクル資材の需要が多くあるわけではないため、どの地域においても、適正処理に苦労しています。

そのため、養殖が盛んな地域においては、
漁業者の倫理感に過剰な期待を寄せるのではなく、
公共インフラとして、適切な処理施設を用意する必要がありそうです。

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