人工衛星で不法投棄は監視できない

既に、当ブログでは半年以上前に解説していた内容ですが、
※2009年2月19日付記事 兵庫県も不法投棄監視に人工衛星活用へ

10月23日付けの読売新聞にて、兵庫県での衛星画像の利用状況が報道されていました。
不法投棄人工衛星で監視  視界不良

読売新聞の報道によると、人工衛星の欠点として、

・衛星が県上空を通る時に雲がかかっていると、場所によっては地表が見えない
・投棄ごみを特定できるほど鮮明でない

とあります。

これはかなり致命的な欠陥と言えるのではないでしょうか?

鮮明でない画像を1枚26,250円で購入するよりは、Google Earth で地表を上空から見た「つもり」になるほうがましかもしれません。

人工衛星から、リアルタイムで不法投棄状況を監視できない以上、衛星画像では不法投棄を未然に防止することは不可能です。

それは、画像が鮮明なものだったとしても同じ結果になります。

人工衛星が提供する画像は、数週間から数ヶ月前の過去の状況でしかないからです。

冷静に考えると、不法投棄を「未然に」防止することは、現実的には不可能です。

行政や警察にできることは、不法投棄が小規模な段階で把握をし、その拡大を防ぎつつ、行為者に速やかに撤去させることです。

こうして書くと、誰もが「そりゃそうだ」と思うのですが、「監視カメラ」や「人工衛星」という先進技術をイメージさせる単語が出てくると、現実的には不可能な「未然防止」が可能に思ってしまう人が多いものなのです。

写真一枚を買うお金も、貴重な血税の一部ですので、行政にはすべからく冷静な判断をしていただきたいものです。

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